いつまで ページ33
Aside
ずるいなあって
いつも思う。
突き放されたと思ったら
またこうやって優しくしたり。
悲しいことの後には、嬉しいこと
嬉しいことの後には、悲しいこと
何度も何度も、そのループを繰り返すの。
玲於「…あのさ、」
エレベーターの中、ふたりきりで
ふいに口を開いた玲於くん。
玲於「…昨日、ごめん。」
A「…え?」
玲於「…全然構ってやれなくて、ごめん。」
…気にしてくれてる
それだけで嬉しい。
昨日との高低差で胸が痛いし
こんな扱いされても嫌いになれないし
ほんと、わたしってつくづくバカだ。
A「…平気だよ、」
玲於「…平気?」
A「……うん、平気。」
玲於「…そ。」
エレベーターの扉が開いて
わたしより一歩先を歩く、その後ろ姿
…平気なわけ、ないじゃん。
心配してくれたの、すごく嬉しいし
もうこれ以上いらないくらい、今は幸せ
それでも思ってしまうのは
この人の好きな人はわたしじゃない、ってこと
…チカさんのことを知るまで
わたし、彼女になりたいなんて思ってなかったの。
ただ、玲於くんの笑った顔を眺めて
幸せを貰って
Aって呼んでくれる、大好きな声が聞けたら
それだけでよかったのに。
他の人を見つめている玲於くんなんて
そんなの見たくないって思ってしまった。
わたしだけ見ててほしいって
…彼女になりたいって、そう思ってしまった。
ああ、欲なんて出すもんじゃないな。
…でも
そうさせるのは
玲於「…平気な顔には見えないけど。」
楽屋の前
そう言いながらデコピンしてくる、この人のせい。
見上げると
ちょっとだけ口角を上げて、優しく笑った。
玲於「…今日、ラーメン行こっか。」
A「…おととい行ったばっかりだよ。」
玲於「そうだっけ?」
A「……うん、…けど、行きたい。」
玲於「やっぱり?」
わたし、いつまでこのままかな。
いつまで、玲於くんの言うことに従順で
玲於くんがいてくれたら、それだけで幸せで
玲於「ただいまー。」
涼太「あれ、もう帰ってきた。」
隼「Aちゃーん!生きてたー!」
玲於「…ほら、A。こっち来て、セットしてよ。」
…こんなこと考えちゃう自分が本当に嫌だけど
……チカさんがいなければな…なんて。
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なゆ(プロフ) - SnowMan目黒蓮くんのお話で全く同じ作品あるんです。今日読んでて佐野玲於ver知ってるなぁと思ったら、タイトルも見出し?も内容も全く同じでした。きなこさんが書いてるのかと思ったら作者は違う方です。一度確認してみて下さい、、、。 (2021年8月18日 4時) (レス) id: 1e103a7bc3 (このIDを非表示/違反報告)
ri(プロフ) - こんばんは。いきなりコメントごめんなさい。このお話2年前ぐらいに読んでから、すごい好きで定期的に読みたくなるんです。とっくにLDHのファンをやめたのに、懐かしくなって玲於くんのお話別作品も読ませていただきました。とても素敵でした。 (2020年6月18日 1時) (レス) id: c2ce5189fe (このIDを非表示/違反報告)
meiichikawa(プロフ) - とてつもなくこのお話が大好きです。 (2018年8月31日 18時) (レス) id: cd3e6473be (このIDを非表示/違反報告)
Neon - このお話にどハマりしてます。もう何回読んだことか、、玲於くんの不器用さがすごく伝わってきてどんどん続きが見たくなる!そんな感じのお話で、ほんとに読みながらキュンキュンしてます(/ω\)これからも小説頑張ってください!! (2018年2月12日 14時) (レス) id: adc5307a56 (このIDを非表示/違反報告)
honoka - この話すっごい好きです。主人公を応援したくなるし、何回よんでもあきません。せつないし、嬉しい!とか表現があって。ほんまに大好きです!占いツクールを初めて開いた時から読んでいまだに、たまに読んだりします! (2017年12月26日 0時) (レス) id: fb70c0baa4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きなこ | 作成日時:2016年11月10日 21時