ユアマイドール【佐野玲於】

仮説 ページ11

Aside






仮説1

玲於くんが呟いたチカちゃんと、涼太くんの彼女のチカさんは 全くの別人



仮説2

玲於くんの夢に、たまたま涼太くんの彼女のチカさんが出てきた



仮説3

玲於くんの好きな人は、涼太くんの彼女のチカさん







A「…はあ…」






涼太くんの彼女さんのお話を聞いたあの日から

さらに大きくなったモヤモヤ






どれも嫌だ


どれも嫌だけど、仮説3が一番嫌かも。




そもそも、玲於くんの口から女の子の名前が出るだけでちょっとだけムッとしちゃうのに。







玲於「てかメンディーさんそのアウターめっちゃオシャレじゃないっすか。メンディーさんのくせに。」


メン「いやおかしくない？笑」






メンバー全員での雑誌取材を控えたこの楽屋


メンディーさんと一緒に入ってきた玲於くんは

今日も相変わらずカッコいい。



…くそう。むかつく。






…けど、待って、よく考えよう。



仮に、


仮に玲於くんが涼太くんの彼女に恋をしているんだとしたら それって片思いだ。



ニコニコしてたあの涼太くんを思い出す限り

玲於くんがチカさんを略奪できちゃう可能性なんて…






玲於「おい、」






そんなことをぐるぐると考えていたら

当の本人がいつもの仏頂面で近付いてきて






A「…はい。」


玲於「…俺、来たよ。」


A「…え？」






…俺、来たよ？





A「…知ってるけど…」


玲於「…もういい。」






そっぽ向いて、またメンディーさんの隣に行ってしまった。


…どうしよ、意味わかんない。






隼「今の見ました！？玲於さんのツンデレ！！」


玲於「は、」


隼「玲於はAちゃんのおはようがないと一日始まんないんです！！」





そんな小森くんの声を聞いて

おはよう言い忘れてたって気付く。



…玲於くん、わたしにおはよう言って欲しくて、わざわざ来たの？





A「…可愛すぎ…泣きそう…」


玲於「バカ、ちげえし。」


A「違うの？」


玲於「…お前が俺に気付いてないかと思ってムカついただけ。」


A「……玲於くん、おはよう。」


玲於「うっさい。」





ツンツンしてる。

そんなとこも好きだけど。





亜嵐「AちゃんすっかりドMじゃん。」


玲於「俺が育てた。」


亜嵐「なにその、超ドS発言。笑」







…こんなに超ドSな人が

片思いなんてするかなあ。





どうか勘違いでありますように、と

そう願うことしかできなかった。


．

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