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貴方side
気まずいなぁ……
楽しみにしていたカット。
今日はカラーとかしないから
もちろん短時間で終わってしまうので
少ない時間も楽しもうと決めていた。
だけど、楽しめる余裕もなくて。
沈黙に耐えきれず雑誌を手に取り読み始める。
時期が時期なだけにカップル特集が多い。
あーいいなぁ……
こんなデートしてみたい。
そこに乗って居るのはドライブデート。
今までの彼氏たちは免許を持っていない人ばかりで
ドライブデートなど1度もしたことがない。
こういうの憧れるなぁ……大人のデートみたい。
なんて考えているとカットが終わったらしく
再びシャンプー台に戻され
シャンプーをしてもらう。
もうカット終わっちゃったんだ……
なんてかなり寂しく思いながら
体起こし、髪を拭いてもらう。
「髪乾かしていくよ〜」
ドライヤーをかけてもらっている間
再び雑誌に目を落とす。
あ、これ高地さん好きそう……
アメカジのレディースコーデが載っている。
あれ？そういえば今日
目の前に置かれている雑誌が
アメカジテイストの雑誌ばかりなことに気づく。
「最近、服の系統変わったからそういうの好きなのかなって思って」
鏡越しに微笑んでいる高地さんと目が合う。
今日で1番ちゃんと目が合った気がする…
貴「ありがとうございます」
「…今日の服もすごく似合ってる」
ドライヤーをかけ終わり
ヘアセットに移った高地さんからそう言われる。
「それ…初めて来てくれた時に雑誌で見てたヤツだよね？」
貴「よく覚えてましたね!」
まぁね、と笑顔で返してきた。
気づいてくれたことが嬉しく
ついつい笑顔がこぼれる。
「はい。お疲れ様でした〜」
ふんわりとしたセットで仕上げてくれたようだ。
今日はお会計も高地さんがしてくれ、
《ありがとうございました〜》
今日はあまり高地さんとお話できなかったなぁ
なんで思いながら店を出ると
後ろから声をかけられる。
「Aちゃん！」
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作者名：Rio | 作成日時：2019年12月2日 21時
