ジャイアン系天使

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お母さんに"ユアの家に泊まる"と、



嘘をついた。



「彼氏の家に泊まるって言えばよかったじゃん」

「嘘はつきたくない」

「いやお前、ついさっき嘘ついてるからな？」



っていうか、好きな人の家に泊まるって結構やばい気がするんだけど。



好きって認めたら、もうその時点で気持ちはどんどん大きくなっていく。



「熱、下がった？」



ハニの額と私の額がぶつかる。



これ絶対狙ってやってるよね。
机の上に体温計あるの見えてるんですけど。



「まだ微熱っぽいな」



額をくっつけたまま話すから、距離が近い。顔が赤くなっていくのが自分でも分かる。



恥ずかしくなってギュッと目を瞑ると、ハニのからかうような声が聞こえた。



「何？ドキドキしてる？それとも、キスしてほしいの？」

「…風邪うつるから離れて」

「もうキスしたんだから、手遅れ」



私の頬にハニの唇が触れる。



「何してんの！！？」

「んー、看病？」

「これは看病とは呼ばない」



学校であった事が嘘みたいに思える。



ハニの隣はこんなに幸せで、居心地が良いから、



忘れてしまいそうになる。



このまま、



時間が止まれば良いのに。

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