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過去はアルバムに綴じて、今を抱きしめてよ(瑠姫) ページ3






瑠姫くんの家に初めてお邪魔した。


私の部屋より綺麗で清潔感がある。

瑠姫くんらしい部屋だなあ。









『あ、これ。高校の卒アル?』
「ん?あー、そうだよ」
『見てみたい、ダメ?』
「いいけど、何もおもしろいものないよ」




とか言いつつ、「ひさしぶりに見るなあ」と言う瑠姫くんの表情はウキウキしているようだった。





『瑠姫くん見つけた!これでしょ?』
「うわ、懐かしい。なんか恥ずかしいや」
『この時からかっこよかったんだね』
「ふふ、そうでしょ?」



自分の素敵なところを否定せず、それを長所として捉える彼の生き方が好き。




「あ、これ部活の大会のやつ」

指さす写真は、ボールを追いかける瑠姫くんの写真だった。



『うわ、走ってる最中もかっこいいの?普通事故画にならない?』



彼の綺麗な顔立ちは、私も羨ましいなと思う。少しくらい、その綺麗なパーツを分けてほしい。



神様は、瑠姫くんをつくる時に本気を出しすぎだ。



『あ、これ … 』

ふと目に入ったサッカー部の集合写真。



選手たちが太陽の光に眩しそうに顔を顰めた写真の隅に、綺麗な子が写っている。



『端っこにいる人、綺麗な人だね。マネージャー?』
「ん? … あー、うん。まあ。」



どこか落ち着かない、苦笑いの瑠姫くんに首を傾げる。



『どうかした?あ、元カノさんとか?』


冗談のつもりだった。"元カノ"の言葉を聞いた途端、瑠姫くんの動きがピタリと止まった。






『え、ほんと?』
「まあ、そうだけど … 付き合ってた期間短かったし、別にそんなに思い出もないし」



聞いてもいないのに、あれやこれやと否定的な言葉を並べる瑠姫くん。





『私別に気にならないよ、そんなに焦ってると逆に怪しいんだけど』
「だって過去の恋愛とかいい気分しないでしょ?俺はAが好きだよ、世界一好きだからね」
『急にやめてよ、恥ずかしい』




元カノさんのことを気にしていると思っているのだろうか。まあ、こんな綺麗な人と付き合っていた過去があると知ったらそりゃ自信がなくならないわけではないけれど。





「ねえA、機嫌直して」
『別に不機嫌になってないってば、心配しすぎ』
「えー」
『私は瑠姫くんのこと好きだし、瑠姫くんは私のことが好き。今がそうなら、それでいいじゃん。』







瑠姫くんが私を優しく抱きしめる。




「もー、そういうとこ、好き」
『うん、知ってる』



十分すぎるほど、彼の愛を知っている。

来る朝を睨んで(碧海)→←柔らかい太陽はお好き(純喜)



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作者名:ヨカ | 作成日時:2021年8月22日 22時

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