もう戻れない ページ8
Aside
今日も今日とて、春千夜は薬漬けの毎日だった。いくら止めても少し目を離すと直ぐにその力を借りて楽になろうとする。最近は私も止めることを放棄しそうになる。けど、それでも彼を見捨てないのは、彼は私にとって居なくてはならない存在だから。そして、彼もきっと私が居ないとダメだから。自分でも、相当脳が毒されている事に気づいている。しかし、これが私たちの、歪んでしまった関係なのだから仕方がない。今を受け入れるしか他ない。
注射を打ち、少しずつ快楽を覚えたような顔をする春千夜は「マイキー、マイキー」と佐野万次郎の名を呼び続ける。まさに異様な光景だ。そもそも、何故自分をここまで落とした人間をここまで愛せるのか理解が出来ない。春千夜がそこまでして佐野万次郎に執着する意味は何？
なんで、どうして、どうして佐野万次郎ばっかり＿＿＿＿＿＿＿。
手を握る力が強くなる。私は春千夜の名を呼ぶと、そのままソファに押し倒した。依存性を持つ私の考えとは違い、脳が佐野万次郎に毒されている春千夜は、私を佐野万次郎だと勘違いしているのだろう。涎を垂らしながら「マイキー？どうしたんですか？」と不敵な笑みを見せる。
『…私を好きになってよ』
そんな言葉は、今の春千夜には届かない。それが、どうしようもなく悔しくて辛い。腹いせとして春千夜にそっとキスを落とすと、彼は眼球をガン開きにして私の腹部を蹴りあげた。胃液を吐きながらソファの横に倒れ噎せていると、春千夜は私を起き上がらせ抱き締める。そして「すみませんマイキー」と頭を撫で始めた。
あぁ、狂っている。
私も、貴方も、もう戻れない所まで、堕ちている。
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ひめ☆そら(プロフ) - 悠さん» ありがとうございます！私も梵天ifは見たことないなぁ…と思いながら作らせて頂きました！最後までどうぞよろしくお願い致します！ (2021年9月3日 23時) (
レス) id: f06e616829 (このIDを非表示/違反報告)
悠 - 梵天でこういったifみたことなかったので楽しみです！更新待ってますね！！！ (2021年9月3日 19時) (レス) id: d04a74515a (このIDを非表示/違反報告)
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