一緒に堕ちて ページ14
Aside
春千夜はその言葉を聞いて、何も言わないまま橋に手をかけ海を眺め始める。まぁ、ここで何かを言われるのも少し嫌だったので、私も合わせるように海を眺めた。
今この場所には、私と春千夜しか居ない。本当に静かだ。聞こえるのは海の音だけ。この橋にこんなにも自動車が通らない事なんてあるのだろうか。これじゃあまるで、本当に私たちの死に場所が用意されているみたいだ。
すると、ずっと口を閉じたままの春千夜が視線を変えることなく話し始めた。
「知ってた。テメェが俺の事どう思ってたか」
『……え』
「俺は昔からお前をそんな目で見た事無かった。けどテメェの気持ちは知ってたから、俺はそれを利用した」
「最低だろ？」と、その時初めて春千夜と視線が合った。彼は今、何を思っているのだろう。読み取れないその瞳から視線を外すことが出来なかった私は、彼の方から視線を逸らすを待った。
「お前にあの話を持ち掛けたのも、テメェなら承諾してくれんじゃねぇかって思ったから」
『…あの話って？』
「前言ったろ、“一緒に死ね”って」
どうやらあの時のあの話は冗談では無かったみたいだ。ようやくその瞳から解放された私は、再び海の方へと瞳を移す。
春千夜は、全部分かってたんだ。私が春千夜の事を心から愛していたことを。そしてそれを利用して私と死のうとしてた。一見聞くと酷い話だが、普通という感覚を失い始めた私にとってはそこまで酷な話では無かった。
利用してようが何だろうが、彼は死ぬ直前まで私と居てくれる。それだけで幸せなのだから。
『…ねぇ、春千夜』
「ア？」
『もし今ここで、私と一緒に落ちて、そして一緒に死んでって言ったら…春千夜はどうする？』
すると春千夜は、嬉しそうに口角を上げて、何処からか隠し持っていた銃口を私の額に当てた。
「そんなの決まってんだろ」
『…ありがとう、春千夜』
私は貴方を、心の底から愛しています。
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ひめ☆そら(プロフ) - 悠さん» ありがとうございます！私も梵天ifは見たことないなぁ…と思いながら作らせて頂きました！最後までどうぞよろしくお願い致します！ (2021年9月3日 23時) (
レス) id: f06e616829 (このIDを非表示/違反報告)
悠 - 梵天でこういったifみたことなかったので楽しみです！更新待ってますね！！！ (2021年9月3日 19時) (レス) id: d04a74515a (このIDを非表示/違反報告)
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