5.最低だ、わたし ページ6
猪王山が言ったことに、バケモノ達は騒ぎ始めた。
熊「皆のため？もう新しい宗師にでもなったつもりか？猪王山よぉ」
熊徹はそう言いながら、自分の肩においてあった猪王山の手を振り払った。
熊「なら力ずくで止めてみろよ…。
なんなら跡目の決着、今ここでつけたっていいんだぜ…！」
貴「…っ!!」
跡目の決着…？
つまり、殴り合い…
貴「待って、待って…!」
待ったをかけるわたしの声は誰にも届かなかった。
それを遠目に傍観していたバケモノ達が、
「猪王山と熊徹の対決だあ！」
「待ってました！」
「場所あけろぅ！」
「新しい宗師が決まるの!？」
「すっげぇ！」
などと、口々に言う。
こんなにも、自分が情けないなんて。
百「熊徹、落ち着け！」
よかった。
わたしと同じ人が居て。
多「いいぞ、やれやれ！」
…
貴「百さん、どーすればいいんでしょうか…？」
百「おぉ、A。熊徹を止めたいが、あぁなってしまってはわたしにはどうにも出来んだろう…」
やっぱり…
多「いいじゃねぇか!」
貴「何故ですか…？わたしは、無駄な争いは好きではないです。皆さん、こーゆーの好きなんですね…」
文字通り、わたしには理解が出来ない。
多「無駄だぁ?これで跡目の決着着くかもしれねぇんだぞ？」
百「確かに、多々良が言うことも一理あるが…」
貴「それにしたって…」
やっぱり、わたしはこーゆーのが苦手らしい。
昔、誰かに言われた。
「お前は優しすぎるんだ！」
優しいことに越したことはないとは思ったが、偶に邪魔だとも感じる。
そうなる程、わたしは優しいのだろうか…？
自分の事は難し過ぎる。
猪「やれやれ…」
一「父上…！」
猪「下がっていろ…。」
一郎彦は、猪王山に言われた通りに、猪王山の上着を持ち、下がった。
ｽﾗｯ
ｽｯ…
猪王山は静かに腰から刀を抜き、お辞儀をした。
猪「ん…？」
貴「…」
恥ずかしい
作法にも法らずにその上、挑発までするとは。
子供のようだ。
「なんだ、熊徹のあの態度は…」
「礼儀を知らんのか…！」
「猪王山を見習え！」
と、言う傍観者達。
それらを全て見たうえで、姿勢よく座り頭を下げる猪王山。
自分は居候させて頂いている身ではあるが、ここまでくると熊徹が恥ずかしいのではなく、
逆に猪王山が挑発しているようにも見えてくる。
最低だ、わたし。
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ポチ - はい。大丈夫ですよ。お話の続き楽しみにしてます。更新頑張って下さい。 (2018年9月2日 23時) (
レス) id: b9ee30de80 (このIDを非表示/違反報告)
白虎(プロフ) - ポチさん» 本当ですねw直したのでだいじょうぶかと思います。 (2018年9月2日 21時) (レス) id: 6af44721dc (このIDを非表示/違反報告)
ポチ - こんばんは。番号が間違えてますよ。10が11になってます。 (2018年9月2日 21時) (レス) id: b9ee30de80 (このIDを非表示/違反報告)
ポチ - こんにちは。お久し振りです。小説の続き読ませて頂きました。とても面白いです!この後ヒロインと熊徹の展開と絡みがどんな風になるか気になります。楽しみにしてます。 (2018年5月24日 16時) (レス) id: b9ee30de80 (このIDを非表示/違反報告)
ポチ - これからも楽しみにしてます。 (2017年7月6日 15時) (レス) id: b9ee30de80 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白虎さん。 | 作成日時：2017年6月21日 0時
