お調子者２号【宮地清志】

( 9 )ノールックパス。 ページ10

「あれ？宮地？？誰のそれ」

A「部活の先輩に借りてきた」

「やけにデカくない？」

A「190cmの先輩だからね」



泣き真似で無理やり借りてきた宮地さんのジャージ。

腕を伸ばすとすっぽりと見えなくなるくらいの大きさはまじで高身長野郎なんだなぁと思う。
多分和成のだったら指くらいは出る。


なんと今日の体育はバスケらしい。
さすがに男女別でやるみたいだけど。



「高尾くんってバスケ部でレギュラー取るくらい強いじゃん？
Aちゃんも強いの？」

A「いや、私は運動に特化してないから人並みだよ」



そう、私は別に運動は和成ほど得意ではない。
双子の私達だけど、運動要員が和成、学力要員が私ってところかな。

だから私は周りの子と競っても足が速いとかではないし、球技が得意って訳でもない。

でも、バスケはホークアイ使えるから比較的出来る方かな。


10分間の1ゲーム。


開始の笛と同時に私はボールを取りに行き、パス回しをする。



「うえぇ！！アイコンタクト無いからAちゃんのボールびっくりするや」

A「ごめんごめん、ボールだけ目で追ってて」



ノールックパス。
相手を見ずにパスする事。
これは和成も得意としていたかな。

ホークアイを使えばわりとすんなりと行える技だ。


チラッと男子側のバスケを見ると、やはり和成もノールックパスでパス回しをしていた。

ってか相変わらず綺麗な3Pフォームだなぁ真ちゃん。
容赦ないし…



「Aちゃん！」

A「あいよ！！」



さて、男子側に気を取られていないで、私もやりますか！

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