7つのTones。③ (ページ4)

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イケメン注意報ページ4

▽ ( Matsumura )

冷たい風が鼻先をツンとつく。

冬は肌も乾燥するしとにかく寒いし……どちらかといえばそこまで好きではない。

でも毎年楽しみにしているものがある。
それは嶺緒を見ること。

いつものことじゃんって？……確かにそうかもしれないけど、それとこれとは別だよ。

『おつかれ北斗』

「 ………！！おつかれ、」

『あれ、なんか顔赤くね？』

突然後ろから声をかけられ振り返るとそこには私服姿の嶺緒。思わず動揺してしまった俺を嶺緒は不思議そうに見つめる。とりあえず顔が赤いことは気のせいだと誤魔化しておいた。

そう、これが俺の好きなもの

嶺緒の冬服姿である。

今日のコーデは黒のタートルネックに黒のロングコート。首元に光るゴールドのネックレスと嶺緒の国宝級に整った顔がイケメン度を更に倍増させている。

楽屋までの廊下を歩いていると隣の嶺緒と目が合う。どうやら無意識のうちに見てしまっていたらしい。

『やっぱ顔赤いじゃん』

「えっ、ちょ、」

『 ……いや、無さそう？』

手が伸びてきたかと思えばそれは俺の額にそっと触れる。だけどやっぱり熱はないみたいで目の前にいる嶺緒は首を傾げている。

やばいって、誰か助けて。このままだと俺しんじゃうよ

この後すぐにやってきた樹のおかげでギリギリ生きてましたとさ。めでたしめでたし。

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