5皿 ページ5
4月、遠月茶寮料理学園、始業式
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『あははっ、あの編入生すごいなぁ。』
親のところから戻ってきて1週間も経たないうちに高校生活が始まった。
また面白くもない始業式になるんだろうなぁと思ってたらなんてことない!
『はーっ、ダメだあの子最高かよ。』
編入生、“幸平創真”くんのお陰で、笑いが収まらない。
それに、えりなが試験には落としたって言ってたからお目にかかれないものだと思ってたけど。
まぁそこは何らかの力が働いてたっていうことかな。
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始業式も終わり、えりなの元へ向かう。
あの様子じゃ、“幸平創真”くんが編入して来ること知らなかったんじゃないかな?またすごい愚痴溜まってそう。
そんな時にアレだけど、えりなに報告しないといけないことあるんだよなぁ。
「A、」
『あ、仙左衛門さん、お久しぶりです。』
あぁ、久しぶりだな、と荘厳な雰囲気を出しながら私に声をかけたのは、えりなの実の祖父、薙切仙左衛門さん。
私がえりなと共に行動できるように薊さんの説得に1番尽力してくださった方でもある。
「そういえば、家から連絡があったぞ。しばらく忙しくなりそうなのだな。」
『そうでしたか。今、説明しにいかせていただくところだったのですが、必要なさそうですね。』
「あぁ、えりなには話していないから直接伝えてやってくれ。」
『そうさせてもらいます。…えりながわかってくれるかどうかが少しだけ心配ですけど。』
このことを言った後のえりなの様子を想像して、思わず苦笑いが溢れる。
それが伝わったのか、仙左衛門さんも同じような顔を浮かべて、「そろそろえりなもA離れしてほしいものなんだがな…」と一言。
『まぁ、急に本格的にやるわけではないですし、初めは手伝いや練習だけなので。
それまでにえりなも変わってくれるんじゃないですかね。』
「あぁ、そうだな。そうだと信じよう。
…ところで、もう少し昔のように接してくれてもいいんだぞ?」
『もう、勘弁してくださいよ…』
照れたような困ったような様子でそう言う私に、朗らかに笑いながら「えりなならまだ裏の方にいるぞ」と教えてくれた仙左衛門さんにお礼を言い、そちらへと向かう。
『ほんっとに、いつの話してるんですか…』
そう言った私の口元は微かに緩んでいたことだと思う。
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水愛(プロフ) - R!Nさん» コメントありがとうございます!これからも頑張っていくので、よろしくお願いします! (2019年10月22日 7時) (レス) id: b9ec477e49 (このIDを非表示/違反報告)
R!N(プロフ) - とても面白いです!頑張ってください! (2019年10月21日 23時) (レス) id: 5067a2983b (このIDを非表示/違反報告)
水愛(プロフ) - チョコ味噌スープさん» ありがとうございます!コメントもらえてすごく嬉しいです。これからも頑張っていくので、よろしくお願いします! (2019年10月19日 23時) (レス) id: b9ec477e49 (このIDを非表示/違反報告)
チョコ味噌スープ - 初感想頂きました!!頑張ってください!応援してまぁす! (2019年10月19日 22時) (レス) id: 956f84dad7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:水愛 | 作成日時:2019年8月13日 16時