34皿 ページ34
いつも通りにえりなの部屋に向かうと、普段と変わらない様子でえりながソファーに座ってお茶を飲んでいた。
『やっほ、お邪魔します。』
私も普段と同じ様子でえりなに声をかけながら部屋へと入る。
すると慣れた動作で私にお茶は何がいいかを聞きながらも、自分と同じお茶をティーカップに注いでいる。
まだ応えてないんだけどな、と思いつつも、いつも私は何でもいいとか、おススメで、と応えるので、結局えりなが決めることに何ら変わりはない。
「今日のお茶はローズにしてみたの。」
『ホントだ、いい香り。』
えりなが淹れてくれたお茶は本当にに美味してくて、香りも素晴らしい。
蒸らす時間やポットの揺らし方が完璧でないとこうはならない。
こういうところでさえ、えりなの料理人としてのスキルの高さが垣間見える。
このローズのハーブティーは、美肌効果や生理痛に効くなど有名な効能はもちろん、落ち込んだ気持ちを明るくするような効果もある。
この場の全てがえりなの優しさで溢れているみたいで、自然と笑みが溢れた。
さて、そろそろ先ほどから、チラチラと心配そうに視線を寄越してくるツンデレなお姫様を安心させてあげようと思う。
リョウくんに負けた私を心配してくれているのもわかるし、どう声をかけたらいいのかわからないのもわかる。
私は神楽坂として、えりなの親友として、それなりに努力してきた。誰かに負けること自体は初めてではないけど、久しぶりだ。
それでも、私自身そこまで落ち込んでいるつもりはないし、秋の選抜という大舞台だったので疲れているだけである、と思いたい。
だから、ただそれだけである。
『えりな、心配してくれてありがとう。でもちょっと疲れただけだから、大丈夫。』
「べ、別に心配なんか…ッ」
ツンデレの王道よろしく直ぐに否定しにかかったので、はいはい、と軽くあしらって、自分の言葉を続ける。
『私はさ、えりな。今もえりながこうして一緒にいてくれるだけで、すごい安心したんだよ。
だから、1回負けたくらいでそんな落ち込んでなんていられない。ちゃんと、追いつくんだから。』
いつも私が言っていて料理の目標にしている、“えりなに追いつく”ということ。
これを言う度にえりなには無理だ、と言われるけど、そんなこと関係なかった。
今日もまた、同じ
「そんなの無理に決まってるじゃない。あと50年早いわ。」
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水愛(プロフ) - Ｒ!Ｎさん» コメントありがとうございます！これからも頑張っていくので、よろしくお願いします！ (2019年10月22日 7時) (
レス) id: b9ec477e49 (このIDを非表示/違反報告)
Ｒ!Ｎ(プロフ) - とても面白いです！頑張ってください！ (2019年10月21日 23時) (レス) id: 5067a2983b (このIDを非表示/違反報告)
水愛(プロフ) - チョコ味噌スープさん» ありがとうございます！コメントもらえてすごく嬉しいです。これからも頑張っていくので、よろしくお願いします！ (2019年10月19日 23時) (レス) id: b9ec477e49 (このIDを非表示/違反報告)
チョコ味噌スープ - 初感想頂きました！！頑張ってください！応援してまぁす！ (2019年10月19日 22時) (レス) id: 956f84dad7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：水愛 | 作成日時：2019年8月13日 16時
