さくらんぼ【食戟のソーマ】

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『こんばんは、お邪魔します、』


ガヤガヤと騒がしい部屋をノックして入れば、そこはもうどんちゃん騒ぎ。

部屋の主である丸井くんの目にはすっかり生気が無くなっているように見えた。


実は、極星寮の秋の選抜、予選お疲れ様会に呼ばれていたのだ。




「あ！Aー！やっと来てくれたよ〜！」

「お、神楽坂も来てくれたのか！」


私を誘ってくれた張本人である悠姫ちゃんや、幸平くん、恵ちゃんなど話したことのある極星寮メンバーを中心に暖かく迎え入れてくれた。


後は、初めましてだったアルディーニ兄弟と挨拶をしたり、水戸さんとえりなの話をしたり。

元々長居するつもりはなかったので、そろそろえりなのところへ戻ろうかとしていた時だった。



「久しぶり、Aちゃん。もうちょいゆっくりしていきなよ。」


なんて、少し懐かしい声が聞こえた。

小さい頃、まだ京都にいたとき家の関係でたまに遊んでいたことがあった。

今では遠月第七席なんて言われていて、確かにその実力は認めれど、どんな人か知っているため憧れることはないけれど。


『久しぶり、慧くん。そういえば同じ学校なのに全然会わなかったね、』

「はは、確かにね。お互い忙しいから仕方ないさ。それよりこれも食べていったらどう？」



「ちょ、ちょっと待って！一色先輩ってAと知り合いだったの！？」


久しぶりと言いつつも普段と同じようなテンションで話し続ける私たちに悠姫ちゃんが周りの気持ちを代弁するように大きな声で質問してきた。


『うん、私も出身は京都だからさ。たまに遊んでたの。』


軽く流すとへー、と驚いたような納得したような声を出した周りの反応になんだか少し笑ってしまう。


慧くん秘密主義なところあるからなぁ。
まだみんなに言ってないこととかたくさんありそう。


さて、そろそろ本当に時間がヤバい気がするので、勧めてもらった料理は申し訳ないけど断って、極星寮を後にすることにした。


慧くんにもまた今度ゆっくり話そうと約束をして、みんなとも挨拶を済ませてえりなのところへと急いだ。

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