【d!】愛憎のカトラリー【短編集】 (ページ3)

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一途に思慕 htrnrn_狐面ページ3

(ひとらんらん宅、時列…昼)

「マカロン、出来たよ。A今食べる？」
「食べますよ、いつもながら凄いですね」

クオリティの高いひとらん製のマカロンを手に取り一口、食む。甘い物が苦手な私にピッタリな味だ。

「いつも隣に居てくれてありがとう、ひとらん。凄いです！お陰で直ぐに書類が終わりました。」
「いえいえ、俺はただ隣でお菓子とか作ってるだけ。凄いのはAだよ」

彼が隣に居てくれるだけで私は嬉しい、もっと居て欲しい。なんて言えたらどれ程楽な事か、幼い時から共に過ごしいつの間にか恋心を抱いていた。

「さてと、今日はこれで帰りますか。長居するのも悪いですし。」
「えーもう帰るの？」

こうやっていつも彼は引き留めてくれる。帰りたくない気持ちがグルグルと心の中で渦巻く

「居ても貴方からしたら邪魔でしょう？」
「邪魔じゃない、居て欲しい」

ねぇ…居たくなるじゃないですか。

「……待って、帰らないで。最後に一つ問題出していい？」
「ッ…良いですよ」

周りの雰囲気が暗く濁っている、そんな感じがした

「問題、マカロンの菓子言葉は何でしょう？」
「菓子言葉…？」

彼はいつもいるときの様な明るい声で尋ねてくる。
菓子言葉なんてもの、初めて聞いた。

「……ほんとに何も分かってくれないよね」
「ごめんなさい、この話は明日にでも」

そう言った瞬間、ひとらんに腕を引っ張られ抱き寄せられた。
吃驚しながらも、上を見上げてみると、彼の顔は赤らんでいた

「マカロンのね、菓子言葉は"特別な人"。ねぇA好き、大好き」