mutt. 02 ページ4
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「……っ……!?」
私の頬にぶつかる寸前。
止めてくれたのは、神楽だった。
神楽「オイクソ兄貴。その女に惚れようが誑かされようが一向に構わないネ、……だけどナ、Aに手ェ出したら許さないアル」
彼の腕を掴んだ神楽は、鋭い眼光を彼らに向ける。その中にはどうやら岸川さんも入っているようで。
ラノン「……ひっ、ごめんなさい、私のせいで……ごめんなさい」
ついに大きな瞳に涙を浮かべてしまった彼女。
それが、完全に私たちを敵対させる合図だった。
土方「オイ、テメエ覚えてろよ、」
沖田「ラノン泣かせるなんざ、痛い目みねェとわかんねェのか?」
銀髪のもじゃもじゃが必死に岸川さんを落ち着かせている。
神楽は上等だと鼻で笑った。
神威「お前、何とか言えよ」
その瞳が嘲笑っていて、やっぱり腹が立った。生憎私はガキなもんで、売られた喧嘩を流せるほど大人じゃない。
「……はあ?何言っちゃってんの、アンタら馬鹿なの?いっつも岸川さんに引っ付いててほんと滑稽。喧嘩売るのはいいけどさァ、みんながみんな食い下がると思うなよ」
バチバチと散らす火花。
朝っぱらからどうしてこんなことになってしまったんだ、と思うけれど、もう引き下がれやしないのだから喧嘩は買うしかない。
「みんなっ、私は大丈夫だよ!紺野さん、神楽ちゃん、ごめんね!ほら!早く行こっ!」
高杉「…っち、」
神威「覚えてなよ」
ふん、と笑ってその目に私を映す。
それが、私の波乱な高校生活の幕開けだった。
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作者名:ティアー | 作成日時:2018年9月12日 19時