純白の天使 (ページ8)

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8話ページ8

「ここまで来ればええやろ…」

「ちっま速いね！」

「プロやからな！」

そう言って2人は何とかゾムから逃げ切ったのだった。コネシマはそのままレイを肩車させるとフラフラと歩き出した。

「そういや、ゾムと何してるん？」

「ふえおに！」

「増え鬼か…懐かしいなぁ…」

懐かしむように呟くコネシマ。

「私、あるけるようになったからぞみゅさんの約束で遊んでるの！」

「歩けるようになったんか。早いなぁ…」

「でもちょっと歩いただけですぐつかれちゃうの」

「ずっと車椅子やったしな。その内体力も付くで。」

そう言いながらコネシマは幼少期の自分を思い出す。
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両親の事は親とは思わない。
2人とも仕事人でそこそこ良い年齢の2人やった。
用は仕事場で結婚をしてもおかしくはない年齢で、そのカモフラージュに2人は愛し合う恋人と言う訳でもなく冷めた状況のまま結婚し、俺を産んだ。

仕事人やったら俺を作る事はせん筈なのに。
一応“幸せ家族”としてのカモフラージュやろう。

俺がいくら勉強やスポーツを頑張ったとしても家はいつも静かで暖かく迎える家族なんぞ居らんかった。

この夫婦は元から冷めているんやと、結局は都合の良いパートナーでしか無いんやと。

餓鬼の俺はそれを良く理解していた。

手を繋いで歩いて居る親子を見れば、自然と嫉妬していた。求めても仕方のない、どうしようもない家族やのに。

求めてしまうのだ。
無意識に。

何処かで。

「________」

もしかしたら。

「________」

本当はもっとええ子にしとったら。

「_______」

褒めてくれるのではと。

ずっと、何処かで思っていた。
やから軍人になった。

国の為に戦うと言う存在が俺にとってはこれ以上もない良い子での行動やとずっと思っておったから。

だけど結局は2人は変わらんかった。

無我夢中になってただけやった。

やから、レイ。

あまり良い子になり過ぎるなよ。