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26話 ページ26

「おま…俺らまだ地下に入って来たばかりやぞ?!」

<残りは見積もって5時間内…>

「5時間…」

<会場は一つだけやない。それだけは覚えておいてくれ。グルッペン達の場所は引き続き調べる。なんとか頑張ってくれ!>

通信が切れた。
会場が一つじゃ無いとすればそれは相当厄介だ。

「各自、一層ごとにチームを分ける。」

トントンの判断により俺達は最下層。ゾムとショッピは四層目。シッマと大先生は三層目。一層目は鎮圧し今はみんな二層目におる。

<兎に角俺らはとんちが最下に行けるよう道を切り開けばええんやな?>

そんな大先生の声が聞こえて来た。
事が上手くいくとええけど。

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「可哀想に。」

そう呟く目の前の女から表情は読み取れない。
娘と同じ髪色がチラつく。

「貴様っ!!」

「抵抗すると縄が締まって血管を塞いでしまうわよ。」

女はあのウィリック・ハグマンの妻のカトリーヌだ。カツカツとヒールの音が聞こえてくる。
その都度苛立ちを覚える。

「結局、お互い“代わり”なのは同じなのね。」

「何が言いたい…!」

「父子と揃って、同姓同名…」

「貴様に何が分かる!?知ったような口を叩くなっ!」

瓜二つ(クローン)ね本当に。」

何度も見て来たその目。
何度も殺して来たその目。
何度も怯えて来たその目。

奴ら(貴族)が注ぐその目線は俺では無い。
()では無い()だ。

「私もあなたの子も…結局は世界に憎まれるのよ。」

破壊神として崇められ、強欲として恐れられ、力と言う力を手に入れていた。

俺のクソ親父はそう言う人間だった。
また俺もそうなるしかなかった。

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作者名:更新不定雑飽子 | 作成日時:2020年1月3日 21時

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