羽ばたけるなら3 (ページ8)

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林間合宿前（2) ページ8

緑谷くんと飯田くんは既にクレープを受け取っており、美味しそうに食べている。
お茶子もクレープを受け取ると2人のいる所に歩いていく。

3人とも美味しそうに食べており、ソワソワしながら待っていると自分が頼んだクレープの名前が呼ばれた。

私が受けった後すぐに、焦凍も頼んだクレープの名前が呼ばれ、一緒に3人が座っている場所に向かった。

「美味しい」
これは、合宿終わった後にまた来よう。

「お茶子のクレープ美味しそう」

「うん！ホイップ増し増しにしてみたんだ！Aのやつもオイシソウ」
お茶子と2人で一口ずつ食べ合いっこをする。

「美味しい！」
「Aのも！今度来た時それ頼む！」

「てか、飯田くんのクレープおかず系なんだ」

「あぁ、このレタスのシャキシャキ感がツナとマッチしていて美味しいんだ！」

「緑谷くん…、下から垂れそうやけど大丈夫？」
お茶子が緑谷くんのクレープを心配そうに見ながら、ウェットティッシュを渡す。

「う、麗日さん！ありがとう…」

その様子を微笑ましく見ていると、横に座っていた焦凍が肩をツンツンしてくる。

「ホラ、Aこっちも食え」
そう言って焦凍は、自分のクレープを私の口の方に持ってくる。

「…ありがと」
またしても、色々と問題が発生しそうな状況だけど、3人も会話に集中しているからその隙に食べよう。

焦凍のキラキラした目に私は弱いの…許してほしい。

一口食べると、彼は満足そうな顔をして再び自分のクレープを食べだした。

3人の方を見ると、ニヤニヤしたお茶子と目が合う。

(う…また見られたよ

お茶子のあのニヤニヤ顔、最近よく見ている気がする。

原因である天然な彼の方を見ると、口にホイップをつけて黙々と食べていた。

(うん…可愛いから良しとするか

クレープを食べ終わると、緑谷くんたち男3人組とは別れてお茶子と2人になった。

水着を見に行ったり、有名なスイーツ屋でドーナッツを買ったりと、2人の時間を楽しみ、お店から出るとお空は真っ赤に染まっていた。

前半の方は、多少メンタルがすり減った気がするけど楽しかった…。
横にいるお茶子もウキウキした顔でドーナッツの袋の中をのぞいている。

「また合宿前に1回は会いたいね！」
「だねぇ」

私は、手を振りながらお茶子と別れると、彼女と反対方向に歩き出した。

公園でドーナッツ食べてから帰ろ。