林間合宿（9） ページ19
「私も、両親いないんだ…」
「は？何だよ‥急に」
「ヴィランに殺されちゃって…ね。その時自分にもっと力があれば、、守れたんじゃないかって、今でも何度も何度も後悔してさ…。」
「…」
「私は…今度はもう、これ以上大事な人を無くしたくないから、個性を鍛えてるの」
「…だから、だなんだよ、何が言いたいんだよ」
「その守りたい人には、洸汰くんも含まれているんだよ…。個性は誰かを傷つけてしまったり、、殺してしまったり危険なものだけどさ…使い方次第では誰かを守ることができる頼りになるものでもあるの」
「私は自分の個性で皆を守りたい…。これ以上、私みたいに個性によって悲しむ人を減らすためにね」
「…っつ」
洸汰くんを抱きしめる力を少し強める。
「辛かったり、耐えられなくなったら頼ってくれても良いよ？洸汰くんの個性に対する考えを否定するつもりもないよ。人それぞれだから」
「何だよ…それ。俺の言っていることおかしいとか思わないのかよ！！」
「思わないよ。ただ、私は誰かを守るために個性を鍛えるけど、それだけで嫌われちゃうのはちょっと悲しいかも…」
私がそう言うと、今度は彼がぎゅっと私の首元に手を回して強く抱きしめてくる。
「新谷さん…俺…おかしくないって…言ってくれたの…」
「ふふっAで良いよ」
「Aさん？」
「あ、Aお姉ちゃんでも良いよ！‥流石にそれはいきすぎたかな？ごめんね」
私の言葉に被せるように彼は「Aお姉ちゃん」と言ってきて、思わず胸がキュンっとなる。
か、、可愛いすぎないか？
「考えを急に変えるのは無理だけど…、Aお姉ちゃんとは仲良くしたいと…思った。最初酷いこと言ってしまった…」
「全然良いんだよ。私達がズケズケと言ったのも本当だしね。ごめんね。」
一回彼を離して、緑谷くんが置いて行ったカレーを彼に渡す。
「食べようか」
「うん…」
カレーを食べ終わったあと、彼と手を繋いで戻るとマンダレイから目を開けて驚かれる。
「じゃあね洸汰くん。また何かあったらすぐに呼んでね」
「うん…」
少し照れくさそうにマンダレイの後ろに隠れながら返事をする洸汰くんに、手を振りながらその場を去った。
皆は既に、お風呂に入り寝る準備をしていたため、私も急いでお風呂に入り、明日の準備をしてから布団に入る。
身体バキバキだけど…明日も頑張ろう…。
続く (更新停止中)
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作者名：(名前)pasmin | 作成日時：2023年3月10日 1時
