俺の彼氏は浮気性 3【BL】

歪む蒼と泣いた金色 ページ8

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今まで徹底して証拠を消してきた五条が、
そんな初歩的ミスをする訳がなかった。









きっと、

ずっとずっと麻痺していたのは、五条の方だった。
















好きな人の為に好きでもない女を抱いて、

いつAが暗殺されるかと恐怖が纏わりついて、

自分自身が浮気をしているせいで、
Aにまで疑いを持つようになって、




そりゃあ、限外がきてもおかしくなかった。

















Aはもちろん怒った。泣きもした。


好きだと言った。



大好きだって、俺だけじゃねぇのかよって、
金色の瞳に涙をいっぱい溜め込んで五条を見ていた。













五条は心底満足そうな顔をしていた。















そこからは早かった。





1ヶ月に1回が1週間に1回になり、
1週間に1回が毎日のようになった。


毎日毎日、Aの嫉妬で五条は満たされた。










Aのためを思っての浮気は、
すでに自分のための浮気になっていた。








わざとらしい甘ったるい香水。

普段飲まないコーヒーの香り。

首元のキスマーク。

長くなった任務。



五条は浮気を楽しんだ。





その頃にはもう、何もかもおかしくなっていた。



















あんなに涙を溜めて感情をぶつけていたAは、
何も言わなくなった。

愛されていないと感じたから。












五条は浮気にのめり込んだ。

もっともっとAに愛してもらいたくて。
Aの愛を知りたくて。













本当は誰よりもお互いを愛しているのに、

〈 愛されたい 〉と願った。



















Aと五条は、当たり前だが別れた。

歪んだ関係がそう長く続くはずがなかった。














素直で真っ直ぐなAは変わっていた。


夏油とも関係を持つようになって、
自身の寂しさを埋めようと足掻いていた。



















じわじわ、






ゆっくり、









だけど確実に、
















＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿壊れていった。



















私は一貫して傍観者だった。










同級生が歪んでいっているのに気づいていて、
見て見ぬ振りを続けた。





その方が楽で、賢い生き方で、
実際に割り切れてしまった。


















誰よりもクズなのは、
きっと私のような人間だと痛感する。


















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