タイムリミットまで ページ37
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じっと海を見つめてかなりの時間が経った気がする。それでも、Aの姿が泡となって消えていないということは、まだ12時を迎えていないということだ。
自分のタイムリミットを知ってしまうのが怖くて、Aは自分の腕時計を見ることすらできなかった。
「すまない、まだ来ていない様だね」
しばらく海上を飛んでいたルークが帰ってきてそう言った。この漆黒の海の中を確認する方が難しいだろう。Aは「大丈夫ですよ」と言った。
「先程ヴィルから連絡があって…『外出届を出してないから、砂浜に向かった人の名前を教えなさい。代わりに報告しておくから』とね。忘れていたよ」
「本当ですね…急いでいて忘れていました。ありがとうございます」
「ヴィルありがとう!!」
NRCは全寮制の学校だから、外出届が必要なのだろう。そういえば、トレイさんも外出届と外泊届を提出していたな、とAは思い出した。
「まずいな…時間がもう…」
ジャミルがスマホの時間を見てそう言った。やっぱり、今でもギリギリの時間なのだろう。
「…あと何分ですか」
「………5分だ」
ジャミルは少し躊躇してからそう言った。5分。あと5分でAは消える。今となってはこのことが恐ろしい。どうして、トレイが海へ向かった日と、Aが陸に向かった日が同じなのだろうか。こればかりは神のいたずらだと思うより他にない。
「…あの、何か気配を感じませんか」
「気配?…いや、何も感じないが…」
Aは突然そう言って立ち上がった。しかし、海を見ても、そこに生物の面影は見当たらない。それでもAは感じるのだ。何かの気配を。
「確かに、何か来ているような気配はするね…狩人の血が反応しているよ」
「もしかして…」
「Aちゃん!!!!!」
そう大声でAを呼ぶ声がしたが、それが海の方からだったので砂浜にいた全員が驚いた。
フロイドが、顔を出して叫んでいた。
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さーも(プロフ) - 巫香渚さん» バースデーは比較的来てくれるような気もしますけど推しになるとこないですよね笑ギリギリまで頑張ってください!! (2021年7月29日 21時) (レス) id: 3e0f107a18 (このIDを非表示/違反報告)
巫香渚(プロフ) - おじたんが二十連で…!羨ましいです。私も二十連したのですが、来てくれませんでした.8月1日まで粘るつもりです。 (2021年7月29日 18時) (レス) id: 254cdf7334 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さーも | 作成日時:2021年7月2日 21時