契約 ページ29
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「あぁ、トレイさん。お待ちしていました」
「悪いな、アズール」
「いえ。それにしても珍しいですね。トレイさんから契約を持ちかけられるとは」
その時、トレイはモストロラウンジにいた。出迎えたアズールに連れられやって来たのはVIPルームだった。
トレイがソファに腰掛けると、ジェイドが2人分のティーカップを持ってきて、紅茶を注いだ。
「ありがとう、ジェイド」
「いえ」
「では、始めましょうか。トレイさんは何をお求めですか?」
「前置きが長くなるんだ。先に聞いてくれ」
トレイは、これまでの経緯について説明した。人魚の少女に恋をしているということを。そして、彼女に会いに行こうとしていることを。
「それでは、人魚に変身する魔法薬を手に入れたいという事ですか?」
「いや、薬は自分で作れる。調合通り上手くいったから大丈夫なはずだ」
「では、何をお求めなんです?」
アズールは検討がついていない様だった。近くに立っていたジェイドも、トレイが何を求めて来たのか分からない様子だった。
「珊瑚の海の案内人が欲しい。初めて行く地で、右も左も分からないからな」
「なるほど。確かに、連れがいた方がいいでしょうね。分かりました、誰か指名がありますか?」
「ジェイドを頼むよ」
「僕ですか」
ジェイドは驚いた顔をした。しかし、トレイにとって、オクタヴィネルの生徒の中で親交のある人は、ジェイドぐらいしか思いつかなかったのである。同じ副寮長としても、切磋琢磨してきた仲だ。
「では対価はどうしましょう」
「俺の声で頼む」
「あぁ、『人魚姫の伝説』ですか。粋なことをしますね」
トレイが自らの声を対価にしたのは、『人魚姫の伝説』から影響を受けたからであった。少女と同じく人魚であるアズールとジェイドは納得した様子であった。
「ではジェイド。トレイさんに同行してくれますね?」
「かしこまりました」
「では契約成立ということで。トレイさん、健闘をお祈りしています」
トレイとアズールは固い握手を交わした。
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さーも(プロフ) - 巫香渚さん» バースデーは比較的来てくれるような気もしますけど推しになるとこないですよね笑ギリギリまで頑張ってください!! (2021年7月29日 21時) (レス) id: 3e0f107a18 (このIDを非表示/違反報告)
巫香渚(プロフ) - おじたんが二十連で…!羨ましいです。私も二十連したのですが、来てくれませんでした.8月1日まで粘るつもりです。 (2021年7月29日 18時) (レス) id: 254cdf7334 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さーも | 作成日時:2021年7月2日 21時