松川一静は幼児化していた〔ハイキュー × 名探偵コナン〕 (ページ4)

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(４)：夢と誓いページ4

「ボク、どうしたの？」

この人との出会いは今から十二年前。
幼児化し、親に信じてもらえず、行く宛もなく、途方に暮れていた所を拾ってもらった。

その人の名前は花城A。彼女は当時17歳で、俺を弟として面倒を見てくれた。
彼女は危険な仕事をしているらしく、彼女の姓を名乗るわけにもいかないし、かと言って本名を名乗れない。
そして俺は記憶喪失を装い、名前は松川一静となった。

Aさんはそんな俺を一番に思い、誰よりも傍で見てくれていた。
帰りが遅くなりそうな時は、なるべく早く帰ろうとしてたし、学校行事だって必ず来てくれた。
俺の自慢の姉さんだった。

そのまま時は流れ、俺は高校１年生になった。
昔と同じように青葉城西高校に通い、男子バレー部に入部した。
バレーは拾ってもらった時でも、ずっと続けてきたので、すぐにベンチ入りを果たした。

……天才嫌いな及川には良く思われていなかったが…

「俺、花巻貴大。宜しくな！」

「俺は松川一静」

「岩泉一だ」

「…及川徹」

中学時代、公式戦で当たり、俺の実力を知っていた及川は、無愛想に自分の名前を述べ、俺をじっ、と睨んでいた。
そんな及川の頭を強めに叩き、すまない、と代わりに謝罪する岩泉。
確かに、長くバレーを続けていたので、その辺の奴らとはレベルが違うし、その辺の強豪校も喉から手が出るほど俺を欲しがった。
それでも俺は、制服が変わっても、校舎が改装されても、体育館が変わっても、この学校を卒業したかった。
あの時亡くなった仲間の分、バレーをして、俺の夢でもあり、仲間達の目標であった春高で頂点を目指すと誓ったんだ。