番外編５ ページ45
番外編５
「ねえ、焦凍…」
「どうした？」
「焦凍はなんで、私なんかを好きでいてくれるの」
この話題を私からするのは初めてだ。こんな事を聞くのは無粋かもしれないけど、焦凍の事を信頼すればするほど気になっていた。
だって、少し分からなかったから。
「私より可愛い子なんか沢山いるし、性格だっていい訳じゃない。だって私をいじめてた人達や…あの男の人達を許せる気がしない。そんな醜い心の持ち主なのにどうして…」
「別に許す必要なんかねぇだろ」
「え…？」
「俺だってクソ親父を許す気はねぇ。許せない相手なんて誰でも一人くらいはいる」
「……そう、だけど」
「俺もお前を傷つけた奴らは許せねぇ。なんなら俺がそいつらを…」
焦凍の言葉にハッとして俯いていた顔を上げる。
「ダメ…！」と少し声を張り上げて焦凍の方を見ると、焦凍は真剣な顔で私を見た。
「ダメだよ！！そんなことっ、焦凍にそんなことして欲しくない。だって焦凍はヒーローになる人なんだから…！」
「お前はそれでいいのか？」
「全然いいよ、だから焦凍は…そんなことっ」
私の言葉に焦凍は少し目を細め、フッと優しく微笑んだ。そしてポンッと私の頭に手を置き「ほらな…」と口を開く。
「お前はそういう奴だ。憎しみより、人の事を優先出来る。そんな奴は醜い心の持ち主って言わねぇ」
「っ……」
「何を心配してるのか知らねぇけど、俺はお前を好きになったこと…間違いだなんて思わねぇ。どこが好きかって聞かれたら俺にも分からねぇけど…」
でも、と焦凍は私の髪をひと束すくい取る。
「赤い物を見たらAを思い出したり、今まで嫌いだった自分の左側が…お前と同じ色だからちょっと嫌いじゃなくなったり、俺の事を好きになってくれたらいいのにって思うのはAだけだったりする」
「……しょう、と」
「そんな風に思ってしまうのは、俺がAを好きだからだって証明にならねぇか？」
また、胸がじんわりと熱くなる。
焦凍にここまで言ってもらえて、それでもまだ分からないなんて言えるだろうか。言えるはずがない。
焦凍が何で私を好きなのか分からないなんて、もう言えない。
「まあ、ずっとお前に冷たくしてたからな。今更そんな事を言われても信用出来ねぇかもしれねぇけど…」
「そんな事ない。私、焦凍のこと…とっくに信用してるよ。誰よりも焦凍の言葉が一番信用出来る」
そう言うと、焦凍が少し目を見開いた。
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クロ - 凄く素敵でした✨私は今まで読んできた轟の夢小説の中で、この作品が一番大好きです!次の作品も楽しみにしています! (11月22日 16時) (
レス) @page47 id: 0a0119112e (このIDを非表示/違反報告)
あやぎり(プロフ) - 妙にリアルな感じがめちゃくちゃ好きです…！主様の文もとても惹かれるもので素敵でした！完結おめでとうございます！次の作品も楽しみにしております♡ (5月2日 20時) (レス) @page47 id: d40ddaf348 (このIDを非表示/違反報告)
CLOCHE(プロフ) - 次の作品を楽しみにして待っています…！ (2022年5月14日 21時) (レス) id: 1fbe654695 (このIDを非表示/違反報告)
CLOCHE(プロフ) - 私の中では兄弟恋愛がなかなか受け入れられないものなので普段は見ようとしないし、何なら兄弟恋愛かもって思った時点で見るのをやめようかと思いましたが、この作品はこれでおしまいじゃなくて続きを読んでみたいと思うほど面白かったです。 (2022年5月14日 21時) (レス) @page47 id: 1fbe654695 (このIDを非表示/違反報告)
るう - いぢめてたモブ達への復習ナシは流石に胸糞が残る (2021年9月7日 23時) (レス) id: 63584da8be (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：NAOKI
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/naoki-/
作成日時：2018年5月19日 23時
