番外編４ ページ44
番外編４
夏の暑さも日に日にマシになってきて、季節はついに秋を迎えた。
そして週末の今日、私はようやく外出許可を貰うことが出来て久しぶりに家に帰ってきている。焦凍は寮生活だから週末だけ会いに来てたけど、今日は焦凍も私が居るからと家に帰ってきていた。
「今度、学校で文化祭やるからその日に外出許可取れたら来るか？」
「そうなんだ。行って、みようかな」
「来るなら俺が案内する。因みに俺らのクラスはライブみたいなダンスみたいな…なんだっけ、バカ騒ぎするやつ」
「へえ、凄いね」
焦凍と二人で縁側に座り中庭を眺めながら、そんな他愛のない話をする。文化祭かぁ…中学校も多分今頃、文化祭の準備をしている頃だ。
まあ私は行けないし行きたくないけど。
中学校は義務教育だから学校に行かなくても卒業は出来る。入院だからとはいえ立派な不登校児だ。問題は高校をどうするか、だなぁ。
「……高校か」
「行きてぇ学校でもあるのか？」
「ううん、そうじゃなくて…どうしようかと思っただけ。やっぱりどうしても、信頼してる人がいない所に一人で行くのはまだ怖い」
「……焦らなくていいだろ。お前のペースで、行けるようになってから行けばいい。今は通信制とかもあるしな」
「…うん。まあ、高校までに退院してる可能性の方が低いけど。まだ病院から信用されてないし」
もしかしたら母のように、ずっと入院生活かもしれない。私がちゃんと事情を話さないから信用もされないんだけど、でも人に知られたくない事情だから話す気にはなれない。
苦笑いをする私の手に焦凍がそっと手を重ねてきて、ゆっくり私の指に自分の指を絡めてきた。
「大丈夫だ。お前が誰にも信用されなくても、どこで生活していようとも…俺は離れるつもりはない」
「焦凍…」
「お前の居るところに、俺はいつでも会いに行く」
その言葉にジン…と胸が熱くなり泣きそうになる。
焦凍は私に自分の気持ちを伝えたあの日から、こうして凄く優しくしてくれていた。本当に私の事を大切に思ってくれているんだと、実感せざるを得ない程に。
私に沢山時間を割いてくれて、沢山優しい言葉をかけてくれて、暖かい手で手を握ってくれる。
家族だから焦凍の事は勿論信頼してたたけど、今は少し違う。家族だからじゃなく、焦凍だから信頼出来る。こうして人として信頼出来るのは緑谷くんと焦凍だけだ。
「ねえ、焦凍…」
．
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クロ - 凄く素敵でした✨私は今まで読んできた轟の夢小説の中で、この作品が一番大好きです!次の作品も楽しみにしています! (11月22日 16時) (
レス) @page47 id: 0a0119112e (このIDを非表示/違反報告)
あやぎり(プロフ) - 妙にリアルな感じがめちゃくちゃ好きです…！主様の文もとても惹かれるもので素敵でした！完結おめでとうございます！次の作品も楽しみにしております♡ (5月2日 20時) (レス) @page47 id: d40ddaf348 (このIDを非表示/違反報告)
CLOCHE(プロフ) - 次の作品を楽しみにして待っています…！ (2022年5月14日 21時) (レス) id: 1fbe654695 (このIDを非表示/違反報告)
CLOCHE(プロフ) - 私の中では兄弟恋愛がなかなか受け入れられないものなので普段は見ようとしないし、何なら兄弟恋愛かもって思った時点で見るのをやめようかと思いましたが、この作品はこれでおしまいじゃなくて続きを読んでみたいと思うほど面白かったです。 (2022年5月14日 21時) (レス) @page47 id: 1fbe654695 (このIDを非表示/違反報告)
るう - いぢめてたモブ達への復習ナシは流石に胸糞が残る (2021年9月7日 23時) (レス) id: 63584da8be (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：NAOKI
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/naoki-/
作成日時：2018年5月19日 23時
