第８０話 ページ38
第８０話
「俺は、何度でも邪魔するからな」
そう言った焦凍の顔は少し悲しそうに歪んでいた。どうしてそんな顔をするの、どうして私の邪魔をするの。
「ほっといてよ、私の事なんて…！」
「………無理だ」
「っ、こんな時まで私に嫌がらせ！？私の命なんだから私の好きにしていいでしょ！？なんで焦凍に邪魔されなきゃいけないの…！」
「それは俺がお前を…」
「嫌いだって言いたいんでしょ？なにそれ、嫌いだから私の嫌がる事してるの！？最後くらい私のしたいようにさせてよッ！！」
焦凍が眉間にシワを寄せ「おい…」と私に手を伸ばすが、それを叩き拒みながら睨んだ。
「それ以上近づいたら燃やす…！」
「…………やってみろ」
焦凍の、地を這うような落ち着いた低い声。私がさっき『邪魔しないで』と威圧的に言った時とは比べ物にならないくらい、威圧感のある声だ。
これが私と焦凍の迫力の差ってこと？
でも、でも…私だって譲れない。こんな時くらい私の思うようにしたいんだ。邪魔されたくない。だから私の脅しに屈してよ…！
「どんだけ威勢よく言っても無駄だからな」
「っ…！？」
「お前が意図的に相手を傷つけられない事ぐらい、ちゃんと分かってる。だから俺は何も怖くねぇ」
なんで、焦凍は私を見抜くの…？
悔しくてグッと歯を食いしばる。そうだ、私は焦凍を傷つけられない。どれだけ私を嫌っている相手だろうと、自分から個性を使って傷つけられない。
だから脅しに屈して欲しかったのに。
「なんでそこまで私を信じるられるの。私は個性の制御が出来なくなっちゃったんだよ？またいつ暴走するか分からないんだよ？」
「……そうだな」
「この病院の人達や、実の母親ですら私のこと怖がって怯えるんだよ…？」
「そうだな」
「っ、なのに何で焦凍は…」
力が抜けてしまいポロポロと涙が溢れる。焦凍は落ち着いた表情で私を見ていて、それが余計に私の戦意を喪失させた。
「お願い、邪魔しないでよ……こんな私なんか、生きてても何の価値もないんだからっ。見知らぬ人を傷つけちゃうような、ヴィランみたいな私なんか…」
「あれはお前一人のせいじゃねぇだろ」
「…………え？」
「悪ぃ、もう全部知ってる」
いじめの事とか、あの日の事とか。そう言った焦凍の言葉に私の目が見開かれる。なんで焦凍が知ってるの？
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クロ - 凄く素敵でした✨私は今まで読んできた轟の夢小説の中で、この作品が一番大好きです!次の作品も楽しみにしています! (11月22日 16時) (
レス) @page47 id: 0a0119112e (このIDを非表示/違反報告)
あやぎり(プロフ) - 妙にリアルな感じがめちゃくちゃ好きです…！主様の文もとても惹かれるもので素敵でした！完結おめでとうございます！次の作品も楽しみにしております♡ (5月2日 20時) (レス) @page47 id: d40ddaf348 (このIDを非表示/違反報告)
CLOCHE(プロフ) - 次の作品を楽しみにして待っています…！ (2022年5月14日 21時) (レス) id: 1fbe654695 (このIDを非表示/違反報告)
CLOCHE(プロフ) - 私の中では兄弟恋愛がなかなか受け入れられないものなので普段は見ようとしないし、何なら兄弟恋愛かもって思った時点で見るのをやめようかと思いましたが、この作品はこれでおしまいじゃなくて続きを読んでみたいと思うほど面白かったです。 (2022年5月14日 21時) (レス) @page47 id: 1fbe654695 (このIDを非表示/違反報告)
るう - いぢめてたモブ達への復習ナシは流石に胸糞が残る (2021年9月7日 23時) (レス) id: 63584da8be (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：NAOKI
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/naoki-/
作成日時：2018年5月19日 23時
