第４５話 ページ3
第４５話
焦凍のこと、友達のこと。
悲しい事と、嬉しいこと。
少し複雑な思いのまま私は学校へ行く。教室の扉の前で緊張してゆっくり深呼吸をした。今は焦凍のことなんて忘れよう。
この扉を開けた先は、私の望んでた世界。暗い顔なんてしてちゃダメだ。しっかりしなきゃ。
グッと心に力を入れて私は教室の扉を開けた。
すると、皆が揃って私の方を見る。ザワザワと私を見ながら騒ぐクラスの異様な雰囲気に、訳が分からず立ち尽くしてしまう。
なんだろう、この雰囲気…。
「お、はよう…ございます」
初めて挨拶してみるものの、誰も返事を返してくれい。なに、どういうこと？
「ちょっと轟さん…！」
「え…？」
数人の女の子が私の元に怖い顔をして駆け寄る。困惑して何も言えない私に、女の子達は「どういうこと！？」と詰め寄った。
「あの、私が何か…」
「何かじゃないでしょ！！綾瀬さん昨日からずっと泣いてるのよ！？」
綾瀬さん…？
不思議に思い自分の席に座る綾瀬さんを見ると、綾瀬さんは大きな瞳からポロポロと涙を流していて、他の女の子が「大丈夫？」と心配している。
なんで綾瀬さんが泣いてるの？
「昨日、轟先輩が凄く怒ってて告白も聞いてもらえなかったって…。呼び出したの轟さんよね、先輩が怒ってたの轟さんが原因なんじゃないの！？」
「っ…！」
「その反応、心当たりあるんでしょ！綾瀬さん本気だって言ったじゃない！！」
焦凍が怒ってたのは間違いなく私のせいだ。だから綾瀬さんが泣いてるのも、私のせいだ。
罪悪感がドッと押し寄せる。
「ご、めん…」
「謝って済む問題？なに、轟さんって綾瀬さんの邪魔したかったの？」
「違っ…！」
「それってめちゃくちゃ最低よ！！」
違う、失敗させたかった訳じゃない。私は本気で綾瀬さんの役に立てばと思った。思ってた…のに、私のせいで。
急いで綾瀬さんの元へ駆け寄る。
「綾瀬さん…！」
「Aちゃん、なんで…信じてたのに。信じてAちゃんに頼ったのに、友達だと思ったのに」
「っ…！！」
「轟先輩言ってたよ、私にAちゃんを利用するなって……私、そんな事してないのに。Aちゃん、先輩にそんな事言うなんて」
「い、言ってない！私は本当に、ただ友達の役に立ちたくて…」
「はあ？」と綾瀬さんの隣にいた女の子が私を睨む。
「こんな酷いことして友達面とか、なにそれ」
「っ………」
．
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クロ - 凄く素敵でした✨私は今まで読んできた轟の夢小説の中で、この作品が一番大好きです!次の作品も楽しみにしています! (11月22日 16時) (
レス) @page47 id: 0a0119112e (このIDを非表示/違反報告)
あやぎり(プロフ) - 妙にリアルな感じがめちゃくちゃ好きです…！主様の文もとても惹かれるもので素敵でした！完結おめでとうございます！次の作品も楽しみにしております♡ (5月2日 20時) (レス) @page47 id: d40ddaf348 (このIDを非表示/違反報告)
CLOCHE(プロフ) - 次の作品を楽しみにして待っています…！ (2022年5月14日 21時) (レス) id: 1fbe654695 (このIDを非表示/違反報告)
CLOCHE(プロフ) - 私の中では兄弟恋愛がなかなか受け入れられないものなので普段は見ようとしないし、何なら兄弟恋愛かもって思った時点で見るのをやめようかと思いましたが、この作品はこれでおしまいじゃなくて続きを読んでみたいと思うほど面白かったです。 (2022年5月14日 21時) (レス) @page47 id: 1fbe654695 (このIDを非表示/違反報告)
るう - いぢめてたモブ達への復習ナシは流石に胸糞が残る (2021年9月7日 23時) (レス) id: 63584da8be (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：NAOKI
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/naoki-/
作成日時：2018年5月19日 23時
