じゅうなな ページ18
それから数日。
毎日のように及川とAとの鬼ごっこが繰り広げられていれば他の生徒たちも徐々に状況に察しがつき始める。
及川を応援するものもいれば、Aの意思を尊重するよう宥めるものもいた。
しかし2人の間に割り込んでくるものはおらず、今日も今日とて放課後を告げる放送がなるのと同時にAはスクールバッグを手に取って立ち上がる。
いつも通りの及川であれば直ぐに現れるはず。
Aは及川のクラスを避けるように遠回りをして下駄箱へと向かう。
他の生徒たちも状況を察しておりAの邪魔にならないようにするためなのか、そっと道を譲ってくれる。
そんな彼らに軽く会釈をしつつ廊下を早歩きで進んでいくと、いつもの柔らかな茶髪とは違う、黒い髪がAの視界へと飛び込んできた。
「A」
「……岩泉…」
及川と鉢合わせないために、と通ってきた人気の少ない廊下。
ほとんどの生徒が用のない場所を通っていたはずなのに、岩泉はAの足止めをするように立ち塞がった。
どうしてここを通るとわかっていたのか、どうしてわざわざここで待っていたのか、Aには検討もつかなかった。
ただ自分に話があることは間違いない。
そしてその内容もきっと、Aと及川の間を巡っている問題と同じだ。ならば及川と同じ。
岩泉にだって、話すことは無い。
Aはゆっくりと、後退りをする。
いっそ走ってもいい。
ここで大人しく足止めされるぐらいなら、走る姿を見せてでも…。
Aがその場を離れようと動き出すと、岩泉はその足をじっと見つめる。
そしてその場から1歩も動くことなく、頭を下げた。
「頼む、A」
「っな、にを」
追いかけてくるでも、怒鳴るでもなく、ただ頭を下げる岩泉。
今までにない行動にAは驚いて固まってしまう。
なにを、なんて、少し考えればわかることだって理解出来ているのに、どうしてか逃げることが出来なかった。
「及川の話を…話だけでもいいから、聞いてやってくれ」
「…っ」
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ゆき(プロフ) - 赤憑さん» うわー！ありがとうございます！直しときます！！！ (4月28日 17時) (
レス) id: 1fa030afc2 (このIDを非表示/違反報告)
赤憑(プロフ) - 面白い作品ですね！ところで…あの...ろく影山sideの話のところの西谷の漢字が西ノ谷になってます💦 (4月28日 13時) (レス) @page7 id: 805737b448 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - 天野さん» ずっと！？ありがとうございます！！今度は最後まで書き切りたいと思ってるので気長にお付き合いくださいませ！！！ (2023年3月29日 10時) (レス) @page26 id: 1fa030afc2 (このIDを非表示/違反報告)
天野(プロフ) - 更新ずっと待ってました！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！ありがとうございます！！！！！！！！！！！！！！ (2023年3月29日 8時) (レス) id: c3ca8d9a5e (このIDを非表示/違反報告)
八雲 - すっごい大好きです頑張って下さい!!!!!!!!!! (2021年8月22日 0時) (レス) id: 34dfb00aa4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆき | 作成日時：2021年5月21日 18時
