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じゅうに ページ13

それから事の次第を聞き終えた及川は影山との通話を終え、国見に携帯を返すと同時にその場にいた全員に耳を傾けて欲しいと声をかけた。
及川の声しか聞こえていなかったがAの話であることは誰もが理解出来ており、全員がそれに応える。



「飛雄は今日Aに会ったみたい。それでAがバレー部に戻ってこない理由を教えてもらったって」
「…やっぱり怪我だけじゃねぇのか」
「うん…それでね、飛雄が言うには…」



及川は影山から得たAに関する情報を全て伝えた。
伝えずに及川と岩泉の2人で内々にAと話すことも考えたが、Aが戻ってくるとなった際にどうせ明かしてしまうことだ。
ならば下手にAを刺激させない為にも、全てを話すことにした。

たとえそれがAの望まないことでも。

今の及川はAを取り戻すことがなによりも先決だから。


及川から告げられたAの現状を聞いた部員たちの反応はそれぞれだった。

そもそもAを知らない後輩たちは当然ながら全く話に現実味を感じられていない。
Aの性格も見た目もしらない。
Aがどんなバレーをするかなんて尚更だ。そんな他人を心配するというのは難しい話だろう。

しかし、Aをよく知っている同級生たちと中学の頃のAを見てきた国見たちは苦虫を噛み潰したような表情を見せていた。
膝の怪我、というだけでも大きな障害だと受け止めていた。
だがその過程でAに植え付けられたトラウマの存在がそれ以上に大きな障害になるなど考えたこともなかったのだ。
加えてそのトラウマの影響でコートを見ることすらも出来ないAに、誰がバレーを勧めることが出来るだろうか。



「…でも、俺はまだAを諦めない」
「なっ、あいつがやりたくても出来ないって知っててもか!?」



驚いたように声を上げたのは岩泉で、及川は真剣な表情のままゆっくりと頷いた。
Aがやりたくても出来ないという状況自体は及川の想像通り。
ただその弊害が、少し違っただけ。
及川はそう自分に言い聞かせ、固く両手を握り締める。



「諦めないっつっても、どうやって…」
「とにかく本人と話すしかない。Aがもう嫌だって、二度とバレーの話をするなって怒ったわけじゃないんだもん。少しでも可能性があるならAの優しさに漬け込んででもすがりついてやる」

じゅうさん→←じゅういち 及川side



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ゆき(プロフ) - 赤憑さん» うわー!ありがとうございます!直しときます!!! (4月28日 17時) (レス) id: 1fa030afc2 (このIDを非表示/違反報告)
赤憑(プロフ) - 面白い作品ですね!ところで…あの...ろく影山sideの話のところの西谷の漢字が西ノ谷になってます💦 (4月28日 13時) (レス) @page7 id: 805737b448 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - 天野さん» ずっと!?ありがとうございます!!今度は最後まで書き切りたいと思ってるので気長にお付き合いくださいませ!!! (2023年3月29日 10時) (レス) @page26 id: 1fa030afc2 (このIDを非表示/違反報告)
天野(プロフ) - 更新ずっと待ってました!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!ありがとうございます!!!!!!!!!!!!!! (2023年3月29日 8時) (レス) id: c3ca8d9a5e (このIDを非表示/違反報告)
八雲 - すっごい大好きです頑張って下さい!!!!!!!!!! (2021年8月22日 0時) (レス) id: 34dfb00aa4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆき | 作成日時:2021年5月21日 18時

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