プロローグ ページ1
ピピーーーーーッと甲高いホイッスルの音が会場に響き渡る。
観客たちは心配そうにコートの中を覗き込み、選手たちは敵味方関わらず1人の少年の元へ駆け寄った。
コート外から見守っていたコーチ陣もまた、同じように駆け寄っていく。
少年の名を呼び、大丈夫かと問う声。
その中央からは苦しそうな息遣いと呻き声が聞こえてくる。
「Aっっ！！！」
「A！おい！！大丈夫か！？」
コート外から見守っていた少年の同級生である及川徹と岩泉一が周りの選手たちを掻き分けて少年の顔を覗き込む。
横たわって倒れている少年、網張Aは右膝を抱え込むようにして苦しんでいた。
どれだけ声をかけても、答える余裕が無いのか呻き声だけが聞こえてくる。
下手に揺らすわけにもいかず、及川と岩泉以外の人々も少年を見守ることしか出来ない。
「救急車が来たぞ！！」
どこからが聞こえたその声に、周りにいた人々は少年から距離をとる。
しかし及川と岩泉は心配で仕方が無いのか一向に離れる気配はない。
とはいえずっとそばに居ることが許されるはずもなく、痺れを切らしたコーチと監督によって引き剥がされた。
「っ俺達もついて行きます！！」
「駄目だ、お前達がいったら誰が網張の分まで戦える」
「…それはっ……！」
「ここで負けたら網張が責任を感じるに違いない。今は試合に勝つことを優先しろ。俺が網張についていくから」
「わ、かりました…」
及川を止めていたコーチの溝口と、担架に乗せられた網張が会場を後にする。
監督とコーチの言葉は痛いほどよくわかった。
2人は網張の優しさをよく知っている。
もしこの試合に負けたら酷く落ち込む姿が、酷く自分を攻める姿が、容易に想像できた。
今すぐ追いかけて、そばに居たい。
無事であることを確認したい。
しかしそれよりも、今は網張のために勝つ。
勝って、網張に会いにいく。
そう心に決め、及川と岩泉は試合に臨んだ。
・
その試合は無事勝利を収めた。
しかし勝ち進んだ先の対白鳥沢にて、惨敗を期した。
その間網張からの連絡はなく、網張がバレー部に姿を現すこともまた、無かった。
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ゆき(プロフ) - 赤憑さん» うわー！ありがとうございます！直しときます！！！ (4月28日 17時) (
レス) id: 1fa030afc2 (このIDを非表示/違反報告)
赤憑(プロフ) - 面白い作品ですね！ところで…あの...ろく影山sideの話のところの西谷の漢字が西ノ谷になってます💦 (4月28日 13時) (レス) @page7 id: 805737b448 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - 天野さん» ずっと！？ありがとうございます！！今度は最後まで書き切りたいと思ってるので気長にお付き合いくださいませ！！！ (2023年3月29日 10時) (レス) @page26 id: 1fa030afc2 (このIDを非表示/違反報告)
天野(プロフ) - 更新ずっと待ってました！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！ありがとうございます！！！！！！！！！！！！！！ (2023年3月29日 8時) (レス) id: c3ca8d9a5e (このIDを非表示/違反報告)
八雲 - すっごい大好きです頑張って下さい!!!!!!!!!! (2021年8月22日 0時) (レス) id: 34dfb00aa4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆき | 作成日時：2021年5月21日 18時
