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沖「ホームシックですかィ？」
「あっ、ごめんなさい。じっとしていられなくて勝手に掃除したんですけど。
終わってしまって…」
向かいに座る沖田さんは、稽古の後のはずなのに爽やかな顔をしている。
沖「通りで綺麗なはずでさァ。あんた、家では何してたんでィ。」
「縫い物とか、本を読んだり…」
私はずっとカーテンから漏れる光で外の世界を想像してた。
友達と遊んだり、恋愛したり、
春には桜を見て、夏には海に行って、秋には紅葉を見て、冬に雪景色を見て雪だるまを作る。
四季織の写真集に人情ものの小説は私の世界だ。
沖「飯食い終わったら、見廻りに行く。山崎じゃつまんねえだろうが、ちと我慢してな。」
「ごめんね、気使わせてしまって…」
沖「気なんて小難しいもん、この芋侍にゃ使えねえよ。」
彼なりのぶっきらぼうの不器用。
なんだかむず痒くて口が緩んだ。
彼はあまり私の顔を見てくれない。
どうしてだろう。
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作者名：wako | 作成日時：2019年3月12日 4時
