その天才、恋愛初心者につき。【凪誠士郎】

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｢誠士郎君、苦手なものある？アレルギーとか｣


｢特にないよ｣


誠士郎君を家に招き入れるのはこれで2回目。


平然を装ってるけど、本当は口から心臓が出そうなくらい緊張してる。


それは多分、彼が好きだと認めているからなんだと思う。


｢どうしようかな…｣


今はそれよりも何を作ろう、と冷蔵庫と相談する。


そういえば、玲王に一口貰ったハンバーグ美味しかったな。


よし、ハンバーグにしよう。


ご飯も今朝炊いてたし、2人分は余裕で足りるだろう。


材料を冷蔵庫から取り出していざ。


美味しくできますように、と終始念を込めながら料理する。


｢…誠士郎君｣


｢なに？｣


｢…そんなに見られると、緊張する…｣


私の料理する姿を隣で興味津々に見る誠士郎君。


｢料理することないから、つい｣


｢普段は料理しないの？｣


｢うん。いつもゼリーとか菓子パン食べてる｣


｢ふふっ、不健康の極みじゃん｣


少し心配にはなったけど、誠士郎君らしいなと笑ってしまう。


｢お節介じゃなきゃ、たまにだけどお弁当作ってあげるよ｣


｢え、いいの？｣


嬉しい、と静かに頬を緩める彼は、大人しい大型犬のようで可愛い。


この辺から緊張が解けたことに気づいて、彼といろんな話をした。


お互いの誕生日や好きな音楽、最近ハマってるゲーム、他にもたくさん。


あまり自分から話さない彼が質問してくれるのも嬉しかった。


彼は思ってることをストレートに伝える人なんだとわかった。


｢俺、Aといると楽しいから好きだな｣


私もだよ、とは恥ずかしくて言えなかった。

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