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頬を赤らめてお菓子を渡す女の子と、それを受け取る誠士郎君。
気がつけば朝の出来事を思い出していて、今日はもう3時間目なのに一睡もできていない。
「じゃあ次の問題を、珍しく起きてる國澤」
誠士郎君が女の子と話す姿を見て湧き出てしまったあの嫌な感情を、私は知っている。
「おーい、國澤」
これは、嫉妬だ。
生憎、自分がなぜ嫉妬しているのか検討がつかないほど、私の頭は悪くなかった。
だけど、彼は玲王の友達じゃん。
少し前に紹介されたばかりで、誠士郎君のことだって何も知らないのに。
「なあ、先生無視してるのか?」
確かに誠士郎君はこの学校の
玲王から乗り換える女の子たちも少なくないだろう。
人気が出るもの仕方ない。
「おい、A、問題当たってる」
「え、あ、はい!」
玲王に肩を叩かれて反射的に返事をして立ち上がる。
先生に体調でも悪いのか、と心配されたが、クラスメイトの寝不足なんだろ、という一言で教室は笑いに包まれた。
はは、と愛想笑いを済ませて黒板に答えを書く。
「うん、正解だ。戻っていいぞ」
席に戻るまでの足取りが重い。
一度相手にしてしまうと、この感情はなかなか消えてくれないのだ。
「今日のお前、なんか変だぞ」
「…天才は理解されないものでしょ」
「は?とりあえず一旦寝ていつも通りになってこい」
いつもなら寝てる私を起こす役割の玲王が、なぜか今日は寝ろと命令してきた。
私にとって天才とは、常に人の予想を上回ること。
つまり、この場合の正解は、
「OK BOSS、早退しろってことだね」
「そこまで言ってねーだろ、調子乗んな」
「いたっ」
ほら、短気じゃん。
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うなぎポテト - あぁぁぁぁぁ!!やっっっばい尊すぎんかです(尊すぎて敬語が使えません!!)せいしろーがかっちょいい……。吐血案件だこれ🫠更新無理せず!!応援してまーす!! (2023年4月3日 13時) (レス) @page4 id: 9030b78ea3 (このIDを非表示/違反報告)
にいな(プロフ) - のあさん» 他作品も読んで頂きありがとうございます!私自身も皆様が読みやすい文章を意識しているのでとても嬉しいです🥲長文の感想、本当に励みになります!ありがとうございました‼️ (2023年3月13日 21時) (レス) id: f69c63ae39 (このIDを非表示/違反報告)
のあ(プロフ) - 初めての感想です!普段占ツクなどは使わないしどちらかと言うと夢小説もひとつの小説のように読んでいるのですが、にいなさんのお話とても読みやすくて読んでいたら他作品も読んでいた事に今気づいて“あ、ほんとにこの人の書く話面白いんだな”って感動してます! (2023年3月3日 11時) (レス) @page36 id: 69fedd5e4a (このIDを非表示/違反報告)
にいな(プロフ) - はにゃ?さん» いつも読んで頂いてありがとうございます!これからも頑張りますのでよろしくお願いします🙌🏻 (2023年1月22日 14時) (レス) id: f69c63ae39 (このIDを非表示/違反報告)
はにゃ? - とても読みやすいです。これからも応援してます。 (2023年1月22日 10時) (レス) @page35 id: ef6fdebb20 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:にいな | 作成日時:2023年1月9日 20時