無知は罪なり2 (ページ23)

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━━━━『A』

｢A、帰っておいで｣

気づいた時には部屋はちらかり

目の前にいたのはお母様ではなくて
司さんだった

｢……つかさ、さん？｣

私は司さんにだきしめられていた

｢もう、いいんだよ。A｣

司さんはいつもの笑顔はなかった。

どうしてこうなったのか分からなかったけど
始めて司さんの笑ってない顔をみた。

どうしたらいいのかわからない。

お母様はどこに行ったんだろう。

司さんにだきしめられながらできるはんいで
辺りをみわたす

ボロボロになった床、木のはがれたかべ

ひどい有様だった

その中で、たおれこんでいる女の人がいた。

｢おかあ、さま？｣

少し怖くなって司さんの背中に手を回す
そこで感じたのは、

司さんの暖かい背中じゃなくて、ベトっとした感覚だった。

｢司さん？｣

｢大丈夫、だよ。A、君のせいじゃない｣

｢司さん！！｣

司さんをはがして自分の手を見る。

そこに付いてたのは、ドロっとした赤黒いものだった。

｢な、なんで？いや、早く手当てを…｣

｢必要ないよ｣

｢でも、｣

司さんは至る所に傷がついていた。

｢私のせい…｣

｢ちがう｣

｢君には謝らければいけない。｣

｢僕は君に酷いことをした｣

そう言って私の目を見る司さんは

今までに見た事のないくらいかなしい顔をしていた。