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なにか良くない気がして私はお母様を落ち着かせる
「お母様、待って下さい…やめて」
「なに?貴女も私を馬鹿にするの、
私でさえ持てた力をなぜ母親のお前が持てないのかって……バカにするのね」
「ち、ちが…」
お母様は理性というものを無くしてしまったようだ。
私の聞く耳を持たない、いや、
この方が今までに私の話を聞いてくれたことがあったのか
もっと、話しかけとけばよかった
すこしこうかいする
しばられてすわっている私は為す術もないまま
ぎしきが進むのを見ているしか無かった。
「そう、これで…彼奴らを殺せる」
そう発したとたん、
私の体は拒絶した。
今まで出せなかった虫が
一斉にでてきた。
何が起きたのかわからない、そこで私の意識は途切れた。
のちに白髪の男、悟くんから母親の術と中で抵抗する私の蠱毒が衝突したことで
私の体が耐えきれず蟲が自然と出たのだと聞くが
当時の私はそんなこと考えられなかった。
所謂、術式の暴走だった。
意識の途切れた私は当然百足や蛙、蜂を抑え切ることが出来ず
数百年ぶりに出された呪いだけが暴れ回った。
私が意識を取り戻したのは、あの人が私に声をかけてくれたからだった。
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作者名:久遠 | 作成日時:2020年12月27日 1時