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司さんは お母様が いないのを見計らって
私に会いにきた。
｢ごめんね、最近会いに来れなくて｣
｢いいんです。仕方のないことですから｣
別に 悲しいことは何もない そう思ったから
そう言っただけなのに
司さんは ひどく 悲しい顔をした。
｢ごめんね…最近困ったこととか、知りたいこととかないかい？｣
｢(どうしてこの人はあやまっているんだろう。)
…本で見たことはできるんです。
たけど、自分でやろうと思ったこと。
やってみようと思ったことは…あと一歩のところで
いつも できなくなってしまう。
それが すごく いやです。｣
古い本で見たじゅつは ひととおりはできた。
ひとつだけ、できないことがある。
ほんでみた 術式には いっぱい虫がでるって
書いていた。
でもやり方がのっていない。
きんきのじゅつ だからなのかはわからないけど
できないことを できないままになってることが
とてもいやだった。
そう言ったら 司さんは すごくうれしそうな顔をして
こういった。
｢A、人はねやって出来ないことは思いつかないんだ。
やってできないことなんてないんだよ。｣
｢僕はこの世界の何も知らないけれど
僕のできることはなんだってするよ。
もう一度やってご覧、もしかしたら
できなかったと思った次に出来るかもしれないだろう？｣
その言葉を聞いて またがんばろうって
思えた、
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作者名：久遠 | 作成日時：2020年12月27日 1時
