怪しいカノジョ。番外編 (ページ3)

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「ありがとう。」

部屋の玄関につくと資料を受け取ったAは俺を見て眉をしかめた。

「大丈夫なの？」

『なにが？』と聞くと俺の腰を指さした。

「けっこうキツイでしょ。資料持ってくれたのも無理したんじゃない？」

と言って心配そうに俺を覗き込んだ。

...気づいてたんだ。

ヒョンたちにもなるべく迷惑をかけないように平気そうに振舞っていた。

でも正直カムバに向けて練習がハードになってるからキツい。

最近ほとんど会ってなかったのに気づいて心配してくれたんだ。

やっぱAが好きだなと胸が痛くなった。

『大丈夫...とは言い切れないけど無理はしないよ。』

まだ心配そうな顔で見ているA。

『心配してくれてありがとう。』

そう言ってAに微笑むと優しい笑顔が返ってきた。

微笑みあったまま視線が重なると

二人の間に流れていた空気の色が変わった。

気づいた時には

2人の距離が０センチになっていた。

再び距離が離れて目が合った時、Aの頬は赤くなっていた。

たぶん俺の耳も赤くなってるだろうな。

『じゃあまたね』

照れ臭いからちょっと早口で別れを告げると

「うん。送ってくれてありがとう。」

Aも恥ずかしそうに手を振った。

車に戻ると、真っ赤な俺の耳を見てヒョンたちに散々冷やかされたことはAには秘密だ。

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