愛しい人よ 【 alan 】

君の顔を想い出せば ページ15

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『私、行くね』









Aは俺の手をゆっくりと払い除けて、
一言だけ言って出口へ歩いて行った。




それ以上、もう俺には何も出来なかった。




だけど『連絡しないで』とは
言わなかった彼女。

連絡、してもいいのかな。









隼｢あの人、やっぱ亜嵐くんの知り合い？｣









メンバーの元へ戻ると
隼が隣で俺に聞く。









亜｢いや、｣

隼｢もしかして元カノ？｣

亜｢は？！｣

隼｢前、彼女出版社で働いてるって…｣









あぁ…言ったかも。
幸せの絶頂にいた頃。
別れるなんて想像もしていなかった頃。









亜｢…まぁ。｣

隼｢やっぱり！｣

亜｢綺麗になってたなー｣

隼｢確かに、綺麗な人でしたね｣








…ん？
俺さっき割と大胆な行動したけど
よく考えたら…
新しい彼氏いるかもしんないじゃん！









隼｢亜嵐くん、まだ好きなんすね｣








悶々と悩む俺に
ニヤニヤと隼が言う。









亜｢は？｣

隼｢元カノさんのこと｣

亜｢いや、｣

隼｢付き合ってた時ベタ惚れだったっすもんね｣

亜｢いや、それは｣

隼｢しかも別れたの向こうからでしたよね｣

亜｢…｣









俺なんでこんなに隼に
傷えぐられないといけないの？








隼｢好きなんすよね？｣

亜｢…あー、もう！そう！好き！｣









室内に響き渡る声。


あー、やっちゃった。







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