目が覚めたら産屋敷邸だった件。3

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善逸side



俺は、今日も蝶屋敷でいつも通り機能回復訓練や鍛錬を渋々ながら行っていた。




そこで、少し休憩を挟もうと、Aちゃんがいないことにも気付いて蝶屋敷の中を歩いていた所に、





善逸(｢…！こ、この声…｣)








もう久しく聞いていない、俺の兄弟子の声が耳に届いてきた。







でも、それと同時に聞こえてくる2つの音。

それは、俺が今まで聞いてきた兄弟子の音とは違った。








善逸(｢…なに、この音、｣)













おかしいと思ったんだ。



獪岳からは、いつも不満の音がしてた。



心の中の幸せを入れる箱に穴が空いているんだ。どんどん幸せが零れていく。


その穴に早く気づいて塞がなきゃ
満たされることは無い。



俺のせいでああさせてしまったんだ、きっと。

だから、俺がなんとかしなくちゃいけない。








…そう感じていたんだ。なのに。






1つ目の音は、声は兄貴の物のはずなのに、爺ちゃんの家で暮らしていた時とは全然違う、少し箱の穴が塞がっているような、穏やかではないけど、そんな音。






2つ目は、


俺を、いつも助けてくれて、俺に、いつもあったかい言葉をかけてくれる、


Aちゃんの音。





なんでAちゃんと獪岳が、とか色々思った。





でもその前に、獪岳があんな音をさせるようになったのは、彼女のお陰だってわかった。



俺のことも助けてくれたのに、Aちゃんは獪岳のことも助けてくれた。





だからさ、俺に対する対応も、少しは良くなったんじゃないかなって思った。


でも違った。
俺がその場に出ると、アイツの音はまた一変した。





ただでさえなんとか会話出来ていた時も音が怖かったのに、
Aちゃんとずっと任務が一緒だったって言った時も、すっごく怒りの音や怖い音がたくさんした。






獪岳｢お前みたいなカスばかり贔屓されて…！！｣








ちがう、ちがうんだよ獪岳、俺は贔屓なんかされてない。
獪岳は剣の扱いも上手いし動きも早かった、だからきっと爺ちゃんも獪岳だからもう練習に付かなくても大丈夫だと思ったんだ。
でも俺は違う、俺は、いつも逃げてばっかで弱いから、爺ちゃんの目が離せないようなやつだから、だから、……







なぁ兄貴、どうして俺ら、いつもすれ違うのかな。




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ごめんなさい、雷兄弟の話まぁまぁ続きますね、、、あともう少しお付き合いください、、

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