目が覚めたら産屋敷邸だった件。3

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Noside





『………そう、なのかな。』








『…錆兎を救ったことで、炭治郎は狭霧山での2人のお陰で更に強くなれ、手鬼も倒せたのに、私が救うことで炭治郎の経験するものが減ってしまうんじゃないか、
って思った。



有一朗くんを救ったことで、無一郎くんの後に出る痣や、大切なその存在のおかげで強くなれたその事実を消してしまったんじゃないか、



カナエさんを救ったことで、しのぶさんの決心を浅はかなものにしてしまったり、


煉獄さんを救ったことで、炭治郎達のこれからの成長を妨げてしまうじゃないか。あの死があったからこそ、次の遊郭編での勝利を目立たせ、3人の強さの成長を表す…
そうなるはずだったものが、私が阻止してしまったことでなくなってしまったんじゃないか。
……』







『…炭治郎が、無限列車の時、
“煉獄さんとAの勝ちだ”ってゆってくれた時も、
私はそのセリフの間に入ってしまって良かったんだろうか、って思った。




私はみんなから見られてる人物像でいていいのか、




元々いない私がこんなに動いていいのかって。』









｢…そう。
まあ、私は貴方だからその考えもよくわかるし、私もどっちかって言ったらその考え寄りなのよね。｣








『やっぱり。…』







｢でも、別に私はいいと思うのよ。｣






『…え？』







｢誰を救おうが原作をぶっ壊そうが、別にいいと思う。


だって、分かっているのに死んでいく人を目の当たりにして
これから生きていくのなんて私はできないもの。


それに、助けてダメな命なんてないのよ。
見殺しにするなんて命の無駄使いよ。

あの音柱様も原作で言ってたでしょ。
“生きてるヤツが勝ち”って。｣









『…そ、うだけど…』








｢貴方には、短そうに見えて膨大な時間と、なんだって出来る可能性がある。
それに、もう今ここは“漫画の中の”鬼滅の刃じゃない。貴方にとって、ここはもう生きてる世界なの。｣








｢私は貴方だから、これかも軸となり続けるために歪まないよう頑張るから、
貴方も、私が出れない世界に立って、頑張って。｣









『…！
わか、った。やるよ、私。やる。
決めたことは、貫き通す。
この思いを、ずっと。
ありがとう、私。』








｢…礼を言われるようなことは何もしてないわ。
だって私だもの。自分が自分の背中を押して信じてあげなきゃね。｣








『…うん。うん。
でもね、やっぱり言いたい。
ありがとう。』

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