目が覚めたら産屋敷邸だった件。2

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獪岳side


最初こそ、御館様の子だと言うことで媚びを売っていたが、こいつが使う技や、この嫌いな髪色をちらせながらずっと話し続けてくる態度が
次第に我慢できなくなり、

つい
｢お前が嫌いだ。｣

と言ってしまった。


だが、あろう事かこいつは

『やっと素で話してくれた』
と何故か嬉しそうに笑う。



その後も俺の隣に並んで歩き始めたかと思いきや、

『そう言えば桑島さん！首元の首飾り素敵ですね…桑島さんがつけるから余計に…』


『あ、あと！雷の呼吸は速いですね…！さすが桑島さんです！！』


『桑島さん桑島さん！！』

…と、ことあるごとにべた褒めして名を連呼してくるこの女…餓鬼に、
｢うるせぇぇぇぇ！！｣と一喝怒鳴ったのは先程か、半刻前か。



段々と嫌気がさし、別々で帰るぞ、というと


『な、！？何故ですか！？私のことそんなに嫌いですか！？

私は仲良くなりたいんですけど…』


と、自分が嫌いと言い、距離を置こうとする言葉を先程述べたのにも関わらず

こんなことを言ってくるこいつにいちいち媚びを売るのが面倒になった。


獪岳｢だからてめぇのこと嫌いっつってんだろーが。｣

『！段々素で話してくれるようになりましたね！！』


もうダメだ。何を言ってもこいつは好意として受け取りやがる。


この際御館様の子など気にしてはいなかった。



獪岳｢…ムカつくんだよ。なんなんだよあの技。
てめぇが使う呼吸はなんだ？雷か？｣


八つ当たりするように聞いた。


『…桑島さんが言っているのは青天霹靂、という技でしょうか？
私が使うのは天の呼吸、といった呼吸です。』


獪岳｢青天霹靂？なんだそれ？天の呼吸？｣


聞いたこともない呼吸に首を傾げる。


『…はい。私は自分で呼吸を作ったですけど、
その元？となっているのが天気でして。
…それで、雷を題材に作ったのが青天霹靂です。』


驚いた。こんなまだ小さいヤツが呼吸なんざ自分で作れるのかと。


獪岳｢…そんなことできんのかよ。｣


少々荒々しく聞くと、伏し目がちになりながら餓鬼は口を開いた。



『……私も最初はびっくりしました。
でも、青天霹靂は個人的にあまり気に入ってなくて。
色は青いし、その…
雷の呼吸の、壱ノ型とほとんど一緒のように見えるじゃないですか。だから真似したと思われてもおかしくないなって。どうせなら、霹靂一閃の方を使えるようになりたかったな、って。』

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