目が覚めたら産屋敷邸だった件。2

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貴方side


『毎日の温かいご飯、向けられる優しさ、感じる本物のような家族の温もり。


君も家族同然、というくらいに、
…自分で言うのも変ですが、自分でもわかるくらい、大切に育てていただきました。



共に暮らす上で鬼が存在することも教えられました。
また、鬼殺隊がある事も。



そこで、私は御館様の恩返しのため、鬼殺隊へ入ることを決めたんです。』





『だから、多分ですけど
御館様は私のことを柱の方々にも紹介したかったのではないかと…。』





あくまでも8年間の眠りのこと、呪いを解いたことはまだ話さない。


柱の人にはもう知られてしまったから仕方ないけど、あんまり知って欲しくないんだよね…





炭治郎｢……そう、だったのか。
すまない、苦しいことを聞いたかもしれない。｣




炭治郎は申し訳なさそうに顔を俯かせ暗くする。




『っえ！？全然…！む、むしろなんかごめんなさい…鍛錬終わってそうそう、雰囲気暗くしちゃって…』







私が謝ると、炭治郎は優しい笑みを浮かべる。







炭治郎｢いや、それはいいんだ。
……Aと話せて、Aのことを知れただけでも、嬉しい。｣






(『……っな！！！？？？』)





炭治郎のその言葉に思わず顔が熱くなる。





『た、炭治郎くん…そういうのは、気軽に言っちゃダメですよ…』




天然タラシが…とジト、と見ていると、




炭治郎｢？だって事実だし…｣




と、どこぞの少女を思い出させるような、当然だろ？と言った顔でそう言ってくる炭治郎。





『ど、どうしたんですかもう…急に…』




そう言うと、炭治郎は少し考えたあと、少し私と距離を詰めて話してきた。








「……Aが禰豆子の事や蝶屋敷のみんなのことを好いていて、大事にしてくれているのはとても助かるし、よく分かる。
よく分かるんだけどな。」






『は、はい…？』








「その、…なんていうか…。
これからも、Aはこうして色んな人と出会うじゃないか。
つ、つまり、あの…｣








『？？？』






話の趣旨が全く伝わってこない。舌も
恥ずかしい、という感情しか感じ取れない。







(『…恥ずかしいことなのか？
…ハッ！！
もしかして、私が他所で失礼なことしないか心配、イコール俺の顔にも泥を塗るな、知り合いと思われたくない、恥ずかしい！！ってこと！！！？？←』)









(『…いや。それはないな。うん。炭治郎のことだし多分それはない。』)

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