お隣さんが不審者なんですが【fj】 (ページ31)

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お隣さん、二十八日目。ページ31

「それじゃあ、二人の記念日をお祝いして、乾杯！」

こーちゃんが簡単に乾杯の音頭を取り、みんなで乾杯してお酒だのジュースだのを飲んだ。
みんなで笑い合って飲むそれは、本当に美味しくて。
仲間ってこんな感じなのかなって思った。

「いやぁ、でもフジ。お前も案外隅に置けねぇなあ？」

キヨがニヤニヤしながらフジ君を見る。
彼の方に目をやれば、困ったように苦笑していた。
精神年齢の差が凄すぎるでしょ。

「んな事ねぇって……元はと言えばヒラが」

「何ぃ！？俺のせいにするの！？」

食い気味にヒラ君が半ギレした。
なんや声でかいなこの人。どうした？

「でも、私は嬉しかったし結果オーライだよ」

会話に加わりたくてそう言えば、ニヤついていたキヨも、苦笑していたフジ君も、半ギレしていたヒラ君も、丁度お酒を飲み干したこーちゃんも、一斉にこちらを見た。

「うわぁ、マジリア充」

「フジ、今度一回殴らせてよ」

「ふざけんじゃねぇよ本当によぉ」

それから、三人が一気に私……ではなくフジ君に総攻撃しだした。やべぇぞやらかしたぞ。
てかヒラ君の笑顔怖っ！普段のエンジェルスマイリングどこ行ったの！？

「ご、ごめんって、悪気はなかったの」

「Aが謝ることないって。俺らはフジになんとなく攻撃してるだけだから」

「ちょっと！？」

とりあえず謝ってみれば、キヨに首を振られた。
それに対してフジ君がツッコミを入れている。

「まぁでも、本当は俺らも応援してたからね。
釣り合うかどうかは置いといて、おめでとう」

ヒラ君がまたいつもの笑顔に戻って言う。
後半毒吐いてたっぽいけど気の所為かな？

「まぁ今更僻んだって何も出ねぇしな。……ほら、Aちゃんが好きって言ってた納豆巻き買ってきたから食いな！」

こーちゃんが私の目の前に納豆巻きを置いてくれた。
確かに私は納豆巻き好きだけど。
誰だよ言ったの。絶対フジ君じゃん。

「え、納豆巻き！？俺にも頂戴！？」

ここで意外にも食いついてきたのはキヨだった。
へぇ、こいつ納豆巻き好きなのか。
でも──。

「やだ！この納豆巻きは私の！」

「一個くらいくれてもいいだろ！？」

「やだって言ってんじゃん！」

納豆巻きが8個入ってるパックなんだけど、正直ひとつたりともこいつにはあげたくない。
フジ君とかならあげる気にもなるけど納豆嫌いらしいし。

私達の納豆巻きウォーズは、その後しばらく続いた。