お隣さんが不審者なんですが【fj】 (ページ23)

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お隣さん、二十一日目。ページ23

料理を食べ終わってからも、会話は途切れることは無く……結局そのまま、4人が実写や実況の撮影で使っているという『最俺ハウス』なるものにお邪魔させてもらう運びとなった。

「……ここが、最俺ハウス？」

という訳で、場面が飛んでここは最俺ハウス前。
すごいな、みんなここで撮影してるのか。
なんか芸能人みたいだなぁ。

「そうだよ。ほら、入って」

フジ君が鍵を開け、そのままドアを開けてくれた。
何？紳士なの？何なのこの人？
その行動に感銘を受けながらお邪魔した。

「すごーい……」

息を吐くように称賛の言葉しか出て来ない。
少し足を進めてリビングにお邪魔してみると。

「……へ」

「もう、Aちゃん来るなら片付けとけばよかった」

ドアを開けたまま固まった私を見て、ヒラ君が言う。リビングは別に汚くもないけど、片付いているようには見えない。
男所帯だしこんなもんかとは思ったけど。

「だから言ったんだよ、俺は片付けた方がいいと思うって」

「とか言って何もしねぇじゃんお前」

キヨが頭の後ろに手を組んでため息混じりにそう言った。こーちゃんが冷静にツッコミを入れている。

リビングには、大抵の一般家庭と家具の種類こそあまり変わらない設備が揃っていた。
ソファとかテレビとか。後はさすがゲーム実況者、ファミコンなんかも置いてある。
あと何故かギターも置いてある。

「ごめんねAちゃん、片付けときゃよかったわ」

申し訳なさそうにフジ君が手を合わせる。
私は首を横に振った。

「ううん。別にそんなに汚くないし大丈夫」

そう答えたところで、キヨが何か思い出したように声を上げた。

「あっ！今日実写撮る日じゃなかった？」

その声に、三人は同時に「あ」と口を開けた。

「え、じゃあ私お邪魔じゃん」

帰ろうとすると、まずフジ君に全否定された。

「いやいやいや！ちょっとだけ時間貰っていいかな？ほんのちょっと！ね？」

続けてヒラ君も首を振った。

「Aちゃんが邪魔なんてないない。ただちょっとだけ時間くれれば後は俺ら自由だから」

今度はキヨが、めっちゃいい笑顔で言った。

「有名人の撮影なんか滅多に見れねぇだろ？貴重な機会を自分から無駄にしようとすんなって！」

「「いや、自分で言うのかよ！」」

「あ…」と声を漏らし横を見れば、こーちゃんとツッコミが被ったことに気付く。
そのお陰で笑いが起き、いい雰囲気の中撮影となった。