愛が重いです規律委員長。

かっこいい(続き) ページ10

数日間同じ場所でたそがれていた

もしかしたらまた来てくれるかな、
また喋りたいな、なんて
中一にしてはマセた考えで

今藤さんが来るのをまった

最近、校内で会っても声をかけてくれる今藤さん

「……今日帰りいつもより遅かったしなぁ……」

もしかしたら、もう部活に行ってしまったのかも

何の部活かは知らないし、
そもそも会いに行く勇気なんて持ち合わせてない

でも昨日走って部活に向かったとき、
思ったより足が早くて驚いた

もしかしたら運動部？

肌の色は普通だし、
今は秋だから引退してない所を見ると

一、二年生かな
いやでも年上っぽいし二年生？

て言うかそもそも運動部なのか、



「あ、居る」


！


振り返るとそこにいたのは

「今藤さん」

「うん、暇だったから来た」

「今日部活ないんですか？」

「実はある」


何してんだこの人

部活行こうよ


「そういうお前は部活ないの」

「入ってないです」

「ふーん。……見学来る？」

「何部なんですか？」


それは見てのおたのしみってことで

そう言って私の手を引っ張って立たせる


「行こ」


すると今藤さんは走り出した

！？速い速い速い


「今藤さんこけるこける！！」

「こけたら抱きとめてやるよ」

「こけないように頑張ります！！」

「即答すんなよ」


階段を降りるときはゆっくり歩いてくれた

「段差バラバラだから気つけろよ
　こけたら抱っこだから余計に気つけろ」

「……自分で言ってて悲しくないんですか？」

「お前相手だから悲しくない」

……どういう意味だそれ
適当ぶっこんだな


「ついたぞ」

「……グラウンドですね」

「うん、部室は体育館の中にある」

「着替えるけど……来る？」

「行きませんよ」

「ふふ、わかってるよ、あそこで待ってて」


グラウンドにおりる階段を指差した

この人との思い出は全部階段になりそうだ

「(運動部だったんだ……グラウンド使うって
　ことは……もしかして……！！)」

「まった？」

バッと振り返ると

あぁ、やっぱり

「陸上部……ですか？」

「うん。ダサい？」

「いや、自分陸上大好きなんでそれはないです」

「なに、照れるよ俺」

「あ、先輩のことじゃないです」

「なんだと」

夏の体操服にジャージの長袖
ジャージを脱いだらきっと
いつでもタイムをとれるのだろう


かっこいいなぁ







人をかっこいいと思ったのはそれが初めてだった


──────
しばらく過去の話続きます！
その内今藤さんの絵載せます！！

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