きゅんとしたら寝ろ。

甘えん坊/不機嫌 ページ6

お昼。
クーラーで冷えすぎた体にかかった大樹の上着はちょうど良かった

あったかくて、涼しくて、少しだけ眠たい


「ちょっと聞いてる？」
「聞いてる聞いてる」
「じゃーなんて言ってたか当ててみて？」
「晩ご飯は肉がいいでござる」
「全然ちがーう！」


いーっ！って顔しながら私の頬をつまむ。
確かに今のは私が悪い。


「だーかーらー、俺は」
「んん、」
「っ、ばかばか！もう知らない！」


あ、拗ねた。

女の子みたいな怒り方は嫌いじゃない
可愛くて何だかもっといじめてあげたくなるような。？

だから私はお昼寝を続行してみることにした
ゴロンと寝返りを打つ。
大樹に背中を向けている


「何なの今日のA！むかつく！」

心地よくて眠いんだよ

「俺がデートの提案してるのに！行きたくないのっ？」

行きたくないわけないでしょうが。
一緒に行こうね、だから今日だけはお願い。

「そうやって俺のこと無視する！俺のことなんか、嫌いなんでしょっ」



そろそろ私の心も痛んで来たので、起き上がる。
あーあー泣きそうな顔して。それでも大人なの？


「大樹」
「謝ったって遅いんだからね、！」
「うん、ごめん」
「だから遅いってば」
「ねえ、大樹好きだよ、何処へデート行こっか」
「……ん、」
「ん？」
「……ここ」


大樹が指したのは、雑誌で特集されてる綺麗な海の見える宿。

ここ、行きたかったんだ
私と、2人で。



「綺麗だねぇ、じゃあ今度休みの日行こっか」
「うん行く！行きたい！」
「じゃあ水着買ってこなきゃな〜」



チョロい……こほん。
可愛くてちょっと単純な大樹も、悪くない。





◇
甘えん坊

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