きゅんとしたら寝ろ。

帰り道(会話文のみ) ページ27

「ね、今日部活ない」
「あっそ、じゃね」
「ねえ察してよ」
「は？わかんねえよ、温暖化が進まない程度に空気を用いて喋れよ」
「なんなんそれ。一緒に帰ろ」
「ああ丁度散歩したかったわ」
「ねえ、私は犬かなんかなの？」
「豚だよ豚」
「はーぁ？もういい別れるわ」
「は!?せっかく俺が一緒に帰るっつってんだから駄々こねてねえで黙って歩け」
「ついでに期間限定のフラペチーノ」
「わあったよ」
「わーい！何だかんだ優しいなぁ大樹は」



「お前今週の日曜部活は」
「ないよ、どうして」
「映画行くぞ」
「いいけど、何見る？」
「題名忘れたけど、なんかホラー系の」
「山崎くんを誘ってください。」
「なんでだよ行こうぜ、俺はお前と行きたいんだよ〜」
「ニヤニヤしながら言うな！明らかにわざとだろ」
「何だよ、お前がホラー好きだろうなって思って誘ったんだよ？」
「嘘つけ！あの日を忘れたとは言わせないぞ」
「俺んちでホラー映画見て家に帰るどころか
トイレにも行けなくなった日なんて覚えてねーよ？」
「バッチリ覚えてんなおい！」



「2組のあっちゃんと吉田が5ヶ月だって」
「あっそ」
「私らも、もうすぐだね」
「そうだな」
「……日にち覚えてる？」
「いつだっけかな」
「それ本気で言ってんの？」
「嘘つく必要あるか？」
「……最低」
「いちいち覚えてねえよ」
「私は覚えてるよ」
「すげー」
「ねえ大樹」
「んだよ」

「って、」

「は、？」

「おま、はぁ？」

「ほんとめんどくせえなぁ！」


「……はなして」
「そんなブスな顔を見る被害者を増やすわけには行かないからな」
「…ぐす…っ」
「ごめんて」
「謝っても思い出せる訳じゃないでしょ」
「覚えてるよ」
「は？嘘つけ」
「このアプリ、このスケジュール帳、このツイートを見てもそれが言えるか？」
「『記念日測定』 『5ヶ月』 『しょうがないから映画でも誘うか』…？」
「口に出すな、心で読め」
「……なんで嘘ついたの……」
「悪かったって。ほら許して」
「今回だけだからねええええ！」
「ごめんねええええ」
「大樹のばかちん。信じちゃったわ」
「……忘れるわけねえだろ」
「え、」
「お前と付き合えた日を忘れるわけねえだろって言ってんだよ。」

「つーか、5ヶ月ごときでよろこんでんじゃねえよ」

「こんな1ヶ月事に祝ってたら、50年後くらいにはコリゴリなくらいだな」









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