とある友人の譚。 (ページ7)

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譚7 ページ7

私の友人は、ある日私に話しかけた。

一人きりの教室で、晴れ晴れとした顔で言う。
……未だに何を考えているか判らないのだ。

私には、何人かの友人がいるんだ

ちょっと大人っぽい人、
いたずら好きな人、
不思議ちゃんな人、
いつも眠たそうな人、
大人が大っ嫌いな人、
ボーイッシュな人、
漫画とアニメが大好きな人、
復讐を目論む恐い人、
面白い人、
少し口の悪い人、
誰にでも分け隔てなく、優しく接する人。

私も、あなたの友達……なのかな

たまらずそう訊いたら、

勿論。大切な“友人”の一人だよ

と友人は返した。
涙が止まらなかった。

誰もいない教室の中で、一人の少女が蹲って泣いている。
静かに、静かに泣いている。

……教室には“一人しかいない”のだ。今、机に突っ伏して泣いている彼女以外には見えない、もう一人の人物は実体を無くしていた。

……何も幽霊という訳ではない。
それは、彼女に宿った“友人”なのだから。