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205話 ページ9

Aside

コイツらはとことん救いようが無いな


“人”は、環境で育つ
環境が、お前らが、あの子の“今”を作ったのに…

人は、勝手には育たないんだよ


あぁ…腹立つな




……けれど、それでも、とょっとだけ羨ましい

妬みも何も無いけどね
これはもはや、羨望ですら無い

かつて見たかもしれない、私が得られないものへ対する、遠い星を思うような微かな微睡み


君は、選べるものがあった

君が目を背けただけで


コイツらに全て否があるとは言い難い







“もし、俺が”



“第一王子だったら”



“きっとこう言われただろう”







願望にも近い声色


そう思う事で、己が壊れないよう、崩れないよう

必死に繋ぎ止めているようで







“「第一王子のレオナ様は思慮深く”



“強大な魔法を使いこなす魔法士だ”



“能天気な弟とは大違い」と”







“それが第二王子になっただけで、これだ”







必ずしもそうとは限らないけれど
きっと、その通りになっていただろう

奴らは結局、そんな表面だけのものしか見ていない




……でも、君は少し、諦めるのが早すぎたと思うよ

何もかも投げ捨てるには、私よりよほど恵まれてる


子供のまま、まともに育まれず。表層だけさっさと成熟した結果、かな







“第二王子はやることなすことケチを付けられ”



“第一王子を称えるためにダシにされる”



“どうやったって一番になれない”







違うよ

君が、見るのをやめただけだ


前を向く事を恐れたからこうなっているんだよ





すると、景色が歪んだ


豪華な部屋に、まだ幾分か幼い獅子の子と、その兄の姿があった







*レオナ!何故今日の式典に来なかった?







何故責める
王宮での彼の処遇を、全く知らないわけでも…

…いや、本当に知らないかもだが、流石にゼロは無いと信じたいな

それとも、分かってくれる。きっと大丈夫。とでも思ってたのか


あぁ、あの子は全部分かってたよ
お前が想像するより、ずっと







*式典?あァ、兄貴の息子を国民に見せびらかす親バカパーティーの事か?

それは失礼を。二度寝しちまった








叫べない、癇癪も起こせない
なら、そうやって駄々を捏ねるしかなかったわけか



…ちゃんと、お互いを見ないと駄目だろうに



成る程、流石兄弟だ
どちらも、恐ろしく馬鹿だね

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どん - 続きが気になる (2021年4月13日 20時) (レス) id: 2a665cb182 (このIDを非表示/違反報告)
ゼロ - 最新待ってます! お願いします!【土下座】 (2021年4月12日 12時) (レス) id: dd065062e2 (このIDを非表示/違反報告)
ゼロ - 続きありがとうございます! 最新がんばってください! お願いします!【土下座】 (2021年4月8日 7時) (レス) id: dd065062e2 (このIDを非表示/違反報告)
ゼロ - 続きが楽しみです! 最新してくださるのを待ってます! 最新お願いします!【土下座】 (2021年4月2日 10時) (レス) id: dd065062e2 (このIDを非表示/違反報告)
ゼロ - こっちの小説も好きなのでうれしいです! 最新がんばってください! 応援してます! (2021年3月21日 9時) (レス) id: dd065062e2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:零月 | 作者ホームページ:http   
作成日時:2020年11月29日 17時

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