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209話 ページ13

Aside

視界を奪われながらも
気配と音を頼りに、獅子の子に近付く

視覚なんて無くたって別に困んないさ

音を聞けば、分かる



一歩、一歩、真っ直ぐと

流砂など物ともせずに
黒い獅子などいないかのように攻撃をかわしながら





レオナ【…出来るわけ、ねぇだろ…】





今にも泣きそうな声が聞こえてきた

うん、知ってる
君は、それさえ取り上げられたんだものね





『何で?』

レオナ【…望みなんて…言えるわけねぇだろうが。言ったって……どうせ……!】

『どうせ、何』





でも、それに目を向けて考えることを止めた君に、どうせなんて彼らに言う資格ないよ





『何で、彼らが、私が、今までの奴らと同じだと分かるの?録に見てもない癖に』

レオナ【ッ…そ、れは…】

『彼らはお前を慕っている。お前に着いてきている。紛れもなく、お前が彼らの王だ
 ____お前が帰ってこなかったら、彼らはお前と同じ。渇望するものを取り上げられる事になるのに』





歩く度に、砂嵐が強まる
……あぁ、でも、もう少しだ





『それとも置かれた岩があるから無理だと決めつけた訳?』





…沈黙は肯定と受けとるよ





『…バッカだねぇ。岩がなにさ』

レオナ【……は?】

『岩は砂だよ。根気よく力を与え続ければいずれは砂になるんだよ。いかなるものもね
君なら、岩を砂にするだなんて簡単じゃないか』





ふふふ、そう、いかなるものも……ね?←怖い



そう言ったとき、漸く砂嵐を抜け

獅子の子の元へ辿り着いた





『ふふ、だ〜いじょうぶさ。私はちゃんとここに居るよ
 それに、私は耳が良いからね。どんな声だって、絶対に聞き逃さない、絶対に。約束するよ

 だから、言ってごらんなさい』





一瞬、泣きそうにすると

少し考えて、口を開きだした





レオナ【……本当に、聞いてくれんのか…?】





まるで迷子のような揺れた瞳で
けれど少し光の入った瞳で見てきた





『もちろん』

レオナ【……馬鹿馬鹿しいと……笑わねぇか…?】

『うん。笑わない』





すると獅子の子は再び俯いて、恐る恐る口を開いた

そんな怖がらなくても良いのに





レオナ【…別に…王になりたかった訳じゃねぇ…】

『ん』


レオナ【ただ……王になれば、見てくれる…なんて、思ってたんだよ…】

『そっか』


レオナ【ダルくても、マナーも勉強も、魔法も……努力、したんだよ…ッ】

『知ってる』





大丈夫。ちゃんと聞こえてるよ

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どん - 続きが気になる (2021年4月13日 20時) (レス) id: 2a665cb182 (このIDを非表示/違反報告)
ゼロ - 最新待ってます! お願いします!【土下座】 (2021年4月12日 12時) (レス) id: dd065062e2 (このIDを非表示/違反報告)
ゼロ - 続きありがとうございます! 最新がんばってください! お願いします!【土下座】 (2021年4月8日 7時) (レス) id: dd065062e2 (このIDを非表示/違反報告)
ゼロ - 続きが楽しみです! 最新してくださるのを待ってます! 最新お願いします!【土下座】 (2021年4月2日 10時) (レス) id: dd065062e2 (このIDを非表示/違反報告)
ゼロ - こっちの小説も好きなのでうれしいです! 最新がんばってください! 応援してます! (2021年3月21日 9時) (レス) id: dd065062e2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:零月 | 作者ホームページ:http   
作成日時:2020年11月29日 17時

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